質問を楽しむ

2022.1.31

 
 

質問は好きですか

 
 

あなたは質問とうまく付き合えていますか?

面談や相談の中で、話を発展させ、

気づきを深めるのに大きな効果を発揮する「質問」。

質問を用いることで話がスムーズに進むことを助けるので、

限られた時間での対話の質も上げてくれます。

しかし、質問が苦手な人にとっては話を聴くと

同時に質問への意識が向いてしまい、

迷走したり、対話が停滞したりする場合があります。

そんな聴き手に影響を受けたクライエントは

無駄な気遣いをしながら話すことになり、

相談内容以外の余分な成果を受け取って

相談を終えるときもあります。

そこで今回は、対話における質問を楽しみ、

面談時間が楽しいものに変化する方法を探ってみましょう。

 
 

 
 

「質問が苦手」と感じている人の実際

 
 
◎自然に質問が投げかけられて、話がスムーズに進んでいる印象を受けました
◎一つ一つの質問が短いなと感じました
◎詰まらずに質問がされていたのがよかった
◎質問は難しいです…

これらは、ロールプレイングで

筆者がキャリアコンサルタント役をつとめた際、

クライエント役として筆者との対話を

体感してくださった方や、

そのロールプレイングを

聴してくださった方からいただいた感想です。

「質問が上達するには、たくさん練習して慣れること」

―私自身、かつて質問力に悩んでいたときに

このようにアドバイスされたし、

プロとして活動するようになってからも、

地道に取り組むことが一番だと自分に言い聞かせてきました。

おかげで今は質問することに抵抗を感じることもなく、

次の相談に臨むにあたっての

振り返りが苦痛ということもなくなり、

必要な経験だったと実感しています。

ただこれは、あくまで筆者の場合。

質問力を課題に感じている方にとって、

「とにかく当たって砕けろ」「たくさん失敗して上手になろう」と

ばかりを強調されるのは、

元々苦手意識がある中で、練習や実践に臨むこと自体がより辛く、

面倒なことと感じられるかもしれませんね。

指導する立場として、

このようなアドバイスを多くしてきた点は反省すべきところです。

 
 

 
 

苦手は質問そのものではなく、
その周辺の「痛み」から発生している!?

 
 
少し話がそれますが、日常会話での質問は、

何気なく使われているのではありませんか。

悩んでいる友人が、話を聞いてほしいと

あなたの部屋を訪れた場面を想像してください。

「どうしたの?」「何かあった?」「どんな気持ち?」
「それでどうなったの?」「どうしたいと思っている?」…

迷うことなく質問を友人に投げかけ、

話に耳を傾けるのではないでしょうか。

(本記事の読者である皆さんは、基本的な傾聴姿勢ができている方が多いと思われます)。

それなのに、仕事として相談を受けるとなると、

肩に力が入って疲れを感じるのは、

どうしてなのでしょう?

筆者がこれまで見聞きした限りでいえば、

質問力に課題を感じている人は、

質問そのものに悩んでいるというよりも、


●質問を使うときの自身の戸惑いや不安
●質問を投げかけた後の展開がうまくいかなくなる(と感じる)
●質問の答えを覚えられない

などのお悩みが多いようです。

これらをもとに、いくつかのパターンを取り上げ、

その対処方法を検討したいと思います。
 
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【パターン①】

事前にいくつか面談の流れを想定して臨むと、

大抵ちがう展開になって戸惑い、

相談が止まってしまいます。

事前にクライエントの情報がある場合、

事案に対応できるように面談の流れをある程度イメージし、

どんな質問をして引き出せそうか、

専門家として情報や知識をどう提供するか等を検討して

相談業務に臨まれる方は多いのではないでしょうか。

クライエントに誠実に向き合う姿勢は、

確実に信頼関係が築かれる要素となることでしょう。

筆者がクライエントだったら、

そういう専門家に話を聴いてほしいと思います。

ところが、生の対話となると、

どこかの議会の質疑応答のように一問一答スタイルで

進むことはほとんどなく、

台本どおりに展開しないことを、私たちは頻繁に経験しています。

そこで提案したいのが、「事前の準備に余白を設ける」ことです。

たくさんの便利グッズを持っているわりに、

必要なときに使いこなせず、

ことが終わってから持っていたことに気がついた経験はありませんか?

面談の準備もこれに似ていて、

事前に用意した答え(選択肢)が多すぎると、

クライエントの話が入る余地がないのでは?と感じます。

もちろん初心者レベルでは、

予めある程度の知識や情報をもっておく必要がありますが、

実務者レベルになれば、

面談に必要なひと通りの道具は既にもっていると思われます。

落としそうなくらいの道具を両手に持ったあなたのもとに、

当日クライエントからも

新しい道具が持ち込まれて受け入れないといけない…

それでは使いこなすどころか、混乱を招くのは当然で、

その相談の方向性やゴールも見失う事態になりかねません。

あえて余白を設けることは、手を抜くことではありません。

事案の事前準備で、複数の道筋を立てた場合は、

8割程度に絞って本番に臨みましょう。

対話は話し手と聴き手の双方で築いていくもの。

あなたが持ち合わせていない部分は、

クライエントと探しにいく心構えでも、

対話は十分成立します。

ぜひ一度、試してみてください。
 
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【パターン②】

想定外の答えが返ってくるとうろたえてしまい、

次の質問が吹っ飛んでしまいます。

常会話の例で、

多くの人が質問できない・浮かばないわけではないことは、既に述べたとおりです。

このパターンで明確なのは、想定外の答えが返ってきたことで聴き手が

「不測の事態が起きた!」と反応したために

頭の中が真っ白になっている、ということです。

今、「そうそう」と感じたあなたにおすすめしたいのが、

想定外の答えに対する「自分の反応を変える」ことです。

今まさに発されるクライエントの答えが、

相談内容を進展させるカギになるかもしれないと思えば、いかがでしょう?

クライエントが、事前に思っていたのと

全くちがう話をしてくれている―これは、

聴き手であるあなたへの信頼が生まれているからこその姿です。

深い部分まで引き出せるような聴き方ができているあなたは、

プロとして、質の高い面談を実施できているということです。

想定外の答えを恐れて、

クライエントの本音や核心に迫れずにいる方がおられたら、

ぜひ受け止め方を切り替えて、

ワクワクしながらその瞬間を味わってください。

クライエントとその話の内容にしっかり焦点を当てて、

焦らず自由に質問を投げかけながら話を聴き進めましょう。

途中で軌道修正が必要かな?と感じたら、

クライエントに質問で確認して方向転換すればよいのです。

次第に、クライエントの表情や口調がイキイキと変化するのがわかってくるので、

聴いていて楽しくなってきます。
 
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【パターン③】

質問した後にクライエントが答えてくれたことや、

話してくれた内容を覚えられないのです。

クライエントの答えは、

質問に含まれた言葉に影響を受けます。

話の内容や、クライエントのタイプ(話すことの得手・不得手など)で

変わることもありますが、

多くの場合、シンプルな質問にはシンプルな答えが、複雑な(長い)質問に

はそのような答えが返ってくることがほとんどです。

筆者の経験上、クライエントが話してくれた内容が覚えられない要因の1つに、

質問が複雑で、クライエントも混乱しながら答えている場合があります。

結果として、聴き手も話を覚えられない状況に陥るのです。

限られた時間で、一気に解決につなげたい気持ちはよくわかるのですが、

「質問は、一回に一つ」を心がけるだけで、

クライエントもキャリアコンサルタントも、

余裕をもって話ができるようになるはずです。

「対話は一緒に一枚の絵を描くように」と表現されることがあります。

クライエントと一緒に、【キャリア】というテーマの絵を描くとします。

あなたが1つの質問をするたびに、クライエントのキャンバスにひと筆が入ります。

シンプルな線や色だと描きやすいし、

イメージの共有もしやすくなりますね。

一見時間がかかるようですが、

1つずつ簡潔な質問を重ねていくことが、

クライエントの思考の整理を助け、私たちも助けられるというわけです。

 

 
 

質問の質(クオリティ)をどう評価するか

 
 
「よい質問」「的確な質問」「正しい質問」を重視するあまり

「今は尋ねるべきではない」

「この質問は意味がない」と判断して、

自分の中からわいてきた質問を飲み込んでいませんか?

本当にそうでしょうか?

実のところ、いわゆる「良い」質問かどうかは、

使ってみないとわからない場合も多いのです。

質問を受けたときの反応や、

その後の展開はクライエントによって変化します。

用いた質問をどう感じたか、

クライエントに教えてもらいましょう。

対話は一人で成り立ちません。

クライエントの協力を得ながら柔軟に対応する力を身につけ、

対話そのものの質を上げていきましょう。

質問を楽しむことは、違いや変化を楽しむこと。

ぜひ、今日からチャレンジしてください。

 
 

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