# 「問題把握」とは

2022.3.15

 
 
今回は「問題把握」について。

キャリアコンサルタントとして、クライエントを適切に理解する上で

しっかりと問題把握したい、問題把握力をつけたいと

考えておられる方いらっしゃいますか。

問題把握は本試験の核となる部分でもあります。

資格受験にかかわらず、

キャリアコンサルティングをする上で重要な部分です。

問題把握を今回のテーマにしてみました。
 
 

1. 「問題把握」とは

 
 
キャリアコンサルティングでは、

クライエントが自分の働き方や生活に関して

「私はどのように働きたいか」「本当はどのように生きていきたいのか」と

自らの生き方について考えて相談に来られます。

この人が困っていることは何だろう、

この人の問題、どんな課題が解決できれば、

この人が望む生き方ができるのだろうかを

一緒に考えていくのが、

キャリアコンサルタントの使命です。

キャリアコンサルタントとしての資格を取得するにあたり、

それぞれ問題把握はこのように定義づけられています。

_

国家資格キャリアコンサルタント

<キャリアコンサルティング協議会>
評価区分:「態度」「展開」「自己評価」

<JCDA>
評価区分:「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」「振り返り」「将来展望」

問題把握力
キャリアコンサルタントとして相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)で、
相談者との関係を築き、問題を捉え、面談を通じて相談者が自分に気づき、
成長するような応答、プロセスを心がける。

_

2級キャリアコンサルティング技能検定

評価区分:基本的態度、関係構築力、 問題把握力、具体的展開力

問題把握力
相談者が表現した内容から、相談者が相談したいことを把握し理解するとと もに、
相談者が訴えている以外の相談者の問題を把握しており、推論の根拠も説明できること。

_

1級キャリアコンサルティング技能検定

評価区分:基本的態度、関係構築力、 問題把握力、具体的展開力

問題把握力
事例相談者が担当している相談者や事例そのものの状況を客観的に把握し、
事例の本質を掴むことができること。事例相談者の能力やスキルを客観的に把握し、
育成的な視点で事例相談者が取り組むべき問題を特定することができること。
事例相談者の問題を明確化し、状況や環境に適した問題を共有化することができること。

_
 
 
いずれも面談を通し、相談者及び事例相談者の問題を把握します。

相談者及び事例相談者自ら取り組むべき問題を自分で気づいていただくことが大事です。

面談では、基本的姿勢「受容、共感、自己一致」で

クライエントに寄り添い、傾聴することで信頼関係を構築します。

クライエントと共にクライエントが抱える問題に向き合い、

その問題を乗り越えられるように伴走します。

 
 

 
 

2. クライエント視点の問題・キャリアコンサルタント視点の問題

 
 
問題把握のピントがずれていたら、それがどんなに良いサポート、

情報提供だとしても、有効、有益な方策とはなりません。

そこで、問題把握のためには2つの視点が挙げられます。

クライエント視点の問題把握と、キャリアコンサルタント視点の

問題把握があると勉強された方も多いでしょう。
 
 
◉ クライエント視点の問題
クライエントは何が問題だと感じているか、「主訴」ですね。
クライエントが最初に話す第一声がその手掛かりになることが多いです。

◉ キャリアコンサルタント視点の問題
キャリアコンサルタントからみた、クライエントが気づいていない問題、
「見立て」です。

自己理解不足/仕事理解不足/情報収集不足/
自己効力感低下/思い込み/中長期的な視野に欠如

 
 
など専門家としてのキャリアコンサルタントからみた問題点です。

両方の視点から問題を見ることによって、

問題の本質に近づくことができます。

しかしこのクライエントの問題点が見えたとしても、

それをそのまま伝えるのが、キャリアコンサルティングではありません。

ではどのように進めればよいのでしょう。

 
 

 
 

3. カウンセリングプロセス

 
 
関係構築・維持 → 問題把握 → 目標設定 → 方策の実行
 
 
【 関係構築/維持 】

キャリアコンサルティングのカウンセリングプロセスとしては、まず関係構築が必要です。

この場は安心、安全、防衛する必要がない。

自由に話すことによって自分に気づいてもらえるようにその場を創ります。

関係を築いた後は関係を維持することが必要です。

関係とは信頼関係です。信頼関係がないと、

クライエント自身が問題と向き合えず、解決策を受け入れません。

【 問題把握 】

クライエントが訴えている問題は何かをキャリアコンサルタントが理解する。

そしてクライエント自身が気づいていない問題、

自分が解決していかなければいけない問題に気づいていく対話、共同作業です。

【 目標設定 】

クライエントがありたい自分に近づくために、

どこを目指していくのかを、一緒に共同作業で相談していきます。

【 方策の実行 】

今いる場所から、ありたい自分、目標に近づく道を

ここでも一緒に見つけていきます。

つまりキャリアコンサルティングはすべて、

クライエントとキャリアコンサルタントの共同作業です。

ここが重要です。

クライエントのことがわかったつもりになって、

あなたはこうすれば良い、こうしなさいという、

キャリアコンサルタントの独りよがりには気をつけないといけません。

 
 

 
 

4. 「問題把握」の流れ

 
 

問題把握の具体的流れです。

クライエントの話を聞く中で、クライエントの主訴、

クライエントが解決したい問題がでてきます。

そしてキャリアコンサルタントの視点から、

これはこのクライエントの問題かもしれないという可能性が見えてきます。

そこでキャリアコンサルタントは質問などをしながら、

その問題を明確にしていきます。

いろいろな問題が見えてくるかもしれません。

その問題を整理する中で大事なのは、この問題の解決は、

「クライエントの役にたつだろうか」
「クライエントは受け入れられるだろうか」

考えながら、対話をすすめていくことです。

そしてクライエントの自己理解を深めていきます。

クライエントの問題の本質としてキャリアコンサルタントのあなたには見えても、

そこはクライエント自身が向き合うことが今の段階では厳しそうと判断したら、

まずは何からなら向き合っていけるだろうかと一緒に考えていきます。

クライエントの心理ステップに応じて、問題を提示、そして対話をしていくのです。 

キャリアコンサルティングには様々な理論があり

アプローチも違ってきますが、

私はどこを選んで焦点をあてていくかをクライエント自身が決めることによって、

クライエントが自分の意思で積極的に解決、

行動することに繋がると考えています。

難しそうだなぁと思われたでしょうか。

確かに難しいかもしれませんが、

クライエントに確認していくことを心がけて頂くと、

段々コツがつかめてきます。

キャリアコンサルティングは共同作業であると覚えておいてください。

_

「大切なのは共感すること。共感とは、相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じること。」

Seeing with the eyes of another,
Listening with the ears of another,
And feeling with the heart of another, Alfred Adler

_

今回のお話があなたのこれからの面談に少しでもお役に立てれば嬉しいです。

一緒にスキルアップしていきましょう。

 
 
キャリアコンサルタント資格の合格講座
========================
傾聴トレーニングコース
https://caricon.co/couse/listening/
実技面接対策特別コース
https://caricon.co/couse/interviewmeasures/
ロープレ直前対策コース
https://caricon.co/couse/roleplay/
論述対策コース
https://caricon.co/couse/discourse/
学科模擬試験
https://caricon.co/couse/subjects/
オンライン講座
https://caricon.co/zoom/
キャリアコンサルタント更新講習
https://caricon.co/koushin/

サービス
========================
無料相談会
https://caricon.co/consultation/
ロールプレイ勉強会
https://caricon.co/roleplay/
無料メール講座
https://caricon.co/mail/
ツダチャンネル
https://caricon.co/tsudach/
ツダチャンネル YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC4p1iqSEK5Q5Bx5SHHABVkA
↓チャンネル登録はこちらをクリック
http://urx2.nu/JqAq
取材・講演・執筆依頼
https://caricon.co/crequest/
Google クチコミ
https://search.google.com/local/reviews?placeid=ChIJLwBR4OLmAGARcRMnX6p7lmM
キャリコンシーオー フェイスブックページ
https://www.facebook.com/caricon.co/

書籍
========================
キャリアコンサルタントになりたいと思ったらはじめに読む本
https://amzn.to/2MQYWRC​
キャリアコンサルタント実技試験(論述・面接)にサクッと合格する本
https://amzn.to/3c4tFmB​
キャリアコンサルタントの仕事と将来性がわかる本
https://amzn.to/3qk5Tbm​

 
▪︎ キャリコンシーオー(株式会社リバース)事務局
 
050-3636-2137
(平日、土日祝13:00~18:00)
 
〒550-0005
大阪府大阪市西区西本町1丁目9-16
サンシステム西本町3F
Email:info@caricon.co / HP:http://caricon.co/