第32回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

2024.8.31

第32回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験
解答例
問1
相談者はそろそろ 介護も本格的になりそうなので実家に戻った方がいいかなと思っている。メンバーに迷惑をかけてしまうと思うとこんな話はしづらく、
会社に言ったら辞めなくてはならなくなるんじゃないかと思うと躊躇してしまう。働くこと自体は性に合っていると思うし、今の仕事もやりがいがあるので、できたら続けたい。
夫から「自分で決めればいい」と言われてしまって、かえって迷う思いもある。 正直 仕事を辞めて実家に戻り、一人で両親の面倒を見なければと思うと不安だが、
両親には寂しい思いをさせたくないしどうしたらいいかと思うことが問題。

問2
1.「 母から言われました」(cl2)「 会社に言ったら~」(cl5)等の発言から、介護 (両親) 仕事、夫、それぞれについて受け身で考えていて、自身がどうしたいのか主体的に考えられておらず 自己理解不足を感じる。
2.「介護も本格的になりそう」(cl1)「(母も)きついんだと思います」(cl2)等の発言から状況や相手の気持ちを確認しないまま憶測のみである。
3.親の介護という目の前にある状況への対応に悩んでおり、今後の中長期的なライフキャリアプランに思いが至っていない様子が見られる。

問 3
①目標1.自己理解を深め 介護(両親) 仕事、夫、それぞれについて自身はどうしたいのか主体的に考えられるようになる。
2.情報収集を行い憶測ではなく事実に基づき状況や相手の気持ちを理解できるようになる。
3.中長期的なライフキャリアプランを明確にし、これから何をどうしていくのか主体的に意思決定ができるようになること。

②方策1.どうすればいいかと悩む気持ちを受け止めラポールを築く
2.面談での相談者の発言を振り返り、受け身で考えていること、憶測に基づいて考えている面があることに気づきを促す。
3.傾聴を続け、内省を促しながら自己理解を深め自身は介護(両親)仕事、夫との関係をどうしていきたいのか明確化を図る。
4.事実に即した 現状理解のため( 本人同意の上)介護(両親)仕事、夫、それぞれについて実際どのような状況で相手はどう思っているのか確認を促す。
5.相談者のありたい姿を実現できる可能性とそのためにできること、行う必要があること等について様々なリソースの活用や必要に応じ情報提供等も踏まえながら一緒に検討する。
6.また、目先の状況への対応だけでなく、相談者にとっての中長期的なライフキャリアプランを明確にした上でこれから何をどうしていくのか主体的に意思決定できるよう支援する。