第27回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例 (協議会)

2024.12.31

第27回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
キャリアコンサルティング協議会

設問1
相談者はアルバイト先から正社員登用の打診があった。頑張ってみたいと思ったが、両親には大反対され、特に父は頑なに反対する。しかし、この話を逃すともう正社員の仕事には出会えないかもしれず、これからどうしたらいいか悩んでいることが問題。

設問2
今回の正社員登用にあたって「認めてもらえた」「頑張ってみたい」「とても嬉しかった」という相談者の気持ちを受け止め共感を示すとともに、その後の両親の反応や相談者自身の気持ちの変化について言語化、明確化を促す意図があると考える。

設問3
①問題
相談者は正社員登用の話に「頑張ってみたい」気持ちがあったが、仕事理解の不足やキャリアビジョンの不明確さから両親に反対され決意が揺らぎ、一方、他の選択肢を十分検討できていないこともあって決断できず、迷っていることが問題。
②その根拠
1.両親の反対とそれにより正社員登用への決意が揺らいでいることから、相談者自身、自分が納得できるキャリアビジョンが描けていないと考えられる。
2.父からの指摘を「決めつけ」「ネガティブ」と言いながら、それらを検討したり、父に説明したりしている様子もないことから、情報不足と仕事理解不足を感じる。
3.「この話を逃すと…」の発言から、今回の正社員登用以外の選択肢を十分検討できていない可能性がある。

設問4
1.相談者の迷う気持ちに寄り添い信頼関係を深める。
2.これまでの経験、特に今の新聞販売店での経験や「頑張ってみたい」気持ちを傾聴しながら、今後どのようにありたいか、どのように働いていきたいか明確化を促す。
3.父からの指摘も含め、新聞販売店の業務や将来性の情報収集、正社員での待遇について確認するなどして仕事理解を深める。また、
4.「この話を逃すと…」と思う根拠や妥当性を確認し、必要であれば他の会社(仕事)での就職の可能性を検討する。
5.目先の正社員登用だけでなく、キャリアビジョンを踏まえた中長期的なライフキャリアプランを明確化する。
6.これらにより、相談者が今後のキャリアについて主体的に意思決定し、家族ともコミュニケーションを図りながら、その実現に向けて行動していけるように支援する。