第31回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

2026.4.17

第30回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

[問い1]
【後半A】では、CCtはCLの「複雑な気持ち」(CL4)に理解や共感を示さず、自身の思い込みから問題を単純化し、人手不足という外的要因に焦点を当て、「人を増やす」助言を行うなど、問題解決を急ぐ関わりとなっている。そのためCLの内面的な悩みやその背景に関われておらず、CLが納得していない様子がうかがえる(CL7、8)展開となっている。一方【後半B】では、CLの「複雑な気持ち」に共感しながら関わり、過去の経験という背景を引き出している(CL5、6)。さらに問いかけを重ねることで、CLは自らの行動の要因について自問自答を深め、「嫌われたくない」(CL7)という思いに気づくとともに、「守ることをもう一度考えてみたい」(CL8)という主体的な気づきへとつながる展開となっている。

[問い2]
①問題
相談者は、過去の経験から形成された「部下を守るべき」という価値観と、経験を通じた成長の必要性の認識との間に葛藤が生じ、自身の上司としてのあり方に迷いを抱え、それを整理しきれていない点が問題。
②その根拠
1.CLは「部下を守るために…」と述べ(CL4)、過去の苦労した経験から「守るべき」という価値観が形成されている(CL5)。一方で「その経験があったから…」とも語っており(CL6)、経験の必要性も認識している。これらの価値観の間に葛藤が見られ、自身の価値観が十分に整理されていない様子がうかがえる。
2.「嫌われたくないから…」との発言(CL7)から、対人関係への配慮が優先され、上司としての役割や関わり方が定まっていない様子もうかがえる。
※()はBより

[問い3]
1.CLの複雑な気持ちを受け止め、安心して内面に向き合えるようラポールを形成する。
2.CLがこれまでの経験から形成してきた「部下を守る」という価値観や背景にある思いの言語化を促し、その意味づけを整理する。また、「経験を通じた成長の必要性」との間に生じている葛藤に着目し、価値観への理解を深められるよう支援する。
3.さらに、「嫌われたくない」という思いが行動に与えている影響を振り返り、対人関係への配慮と部下育成とのバランスについて検討する。
4.そのうえで、「守ることをもう一度考えてみたい」「みんなとより良くしていきたい」という思いを大切にしながら、「守る」ことの意味を捉え直し、CLが納得できる上司としてのあり方を見出せるよう支援するとともに、具体的な関わり方を検討し、実践と振り返りを通じて新たな関わり方を模索できるよう支援する。