キャリアコンサルタント実技面接|最初に自己紹介・守秘義務・アイスブレイクは必要?

2026.9.2

キャリアコンサルタント試験の実技(面接)対策をしている方から、よくいただくご質問があります。

それが、「面接が始まったとき、最初にどこまで説明したらよいのでしょうか?」というものです。

実は、この内容はお一人だけではなく、これまでにも多くの受験生の方から繰り返しご質問いただいています。

  • 最初に「キャリアコンサルタントの〇〇です」と名乗った方がよいのか
  • すぐ本題に入らず、アイスブレイクをした方がよいのか
  • 守秘義務について説明した方がよいのか
  • 「話したくないことは、無理に話さなくても大丈夫です」と伝えた方がよいのか
  • それとも、最初から「今日はどうされましたか?」と相談内容に入った方がよいのか

試験対策をしっかり勉強されている方ほど、「最初に何を言えば評価されるのか」「何を言わないと減点されるのか」と気になるのではないでしょうか。

今回は、多くの方が迷われる実技面接の「最初の入り方」について解説します。

実技面接の最初に「決まった型」はある?

まず結論からお伝えすると、「面接の冒頭は、必ずこの言葉を使い、この順番で進めなければならない」と考えすぎる必要はありません。

キャリアコンサルティング協議会が公開している受験概要には、ロールプレイで心がける点として、相談者を尊重する態度や姿勢、相談者との関係づくり、問題の把握、相談者の気づきや成長につながる応答・プロセスなどが示されています。

一方、少なくとも公開されている受験概要には、面接冒頭に「自己紹介→アイスブレイク→守秘義務の説明」という順番で進めることや、それぞれに決められた言葉を使うことまでは記載されていません。

そのため、

  • 自己紹介をしたから正解
  • 守秘義務を説明しなかったから不正解
  • アイスブレイクを入れれば高得点

というように、単純に捉えるものではないと考えます。

では、何を基準に考えればよいのでしょうか。

大切なのは、「なぜ、その関わりをするのか」という視点です。

① 最初に自分の名前を名乗った方がよい?

例えば、

「キャリアコンサルタントの〇〇です。本日はよろしくお願いいたします」

と挨拶することは、自然な関わり方の一つです。

ただし、「最初に必ずこの言葉を言わなければならない」という型として覚える必要はないでしょう。

大切なのは、その挨拶によって相談者とどのような関係をつくろうとしているのか、ということです。

短く自然に挨拶をして相談に入るのであれば、時間もほとんどかかりません。一方、用意した挨拶を間違えないように言うことばかりに意識が向いてしまうと、目の前の相談者の表情や反応を捉えにくくなることがあります。

② アイスブレイクはした方がよい?

こちらも多くいただくご質問です。

例えば、

  • 「今日はここまで迷わず来られましたか?」
  • 「雨の中、大丈夫でしたか?」
  • 「今日はよいお天気ですね」

など、何気ない会話から始めた方が相談者の緊張がほぐれるのではないか、と考える方もいらっしゃいます。

確かに、相談者によっては、少し会話をすることで話しやすくなる場合もあるでしょう。

一方で、相談者はすでに話したいことを抱えており、「早く本題を話したい」という状態かもしれません。

そのようなときに、キャリアコンサルタント側が用意してきたアイスブレイクを続けることが、本当に相談者にとって話しやすい関わりになるでしょうか。

ここでも大切なのは、「アイスブレイクをするか、しないか」だけではなく、目の前の相談者にとって、今どのような関わりが必要なのかという視点です。

③ 守秘義務について説明した方がよい?

例えば、

「ここでお話しいただいた内容については、生命や安全に関わる場合などを除き、ご本人の同意なく外部に伝えることはありませんので、安心してお話しください」

といった説明を考えている方もいらっしゃいます。

守秘義務について伝えようとする目的の一つは、相談者に安心して話してもらうことでしょう。そのような配慮自体は大切です。

ただし、実技試験の冒頭でこの説明を入れることが、公開された採点基準上の加点になるとは確認できません。したがって、「この説明をすれば点数が上がる」と考えて形式的に入れるものではないと捉えた方がよいでしょう。

また、長い説明を一息に伝えることで、かえって相談者が身構えてしまわないかという視点も必要です。伝える場合も、何のために伝えるのかを考え、相談者の様子を見ながら自然に関わることが大切です。

④ 「話したくないことは話さなくて大丈夫」と伝えた方がよい?

こちらについても同じです。

「無理に話さなくても大丈夫です」

「ご自身のペースでお話しください」

と伝えることで安心できる相談者もいるでしょう。

ただ、あらかじめ覚えてきた言葉をすべて順番に伝えることが目的になってしまうと、相談者を見ることよりも、自分が準備してきた言葉を言うことに意識が向いてしまう可能性があります。

実技面接では、目の前にいる相談者の表情や言葉、話すペースなどを捉えながら関わっていくことが大切です。

「これを言えば高得点」という型に当てはめすぎない

実技試験の練習をしていると、

  • 「この場面では何と言えばよいですか?」
  • 「最初にこの言葉を言った方がよいですか?」
  • 「これを聞けば評価されますか?」

という疑問がどうしても出てきます。

もちろん、基本的な進め方を身につけておくことは必要です。しかし、試験本番では、用意した言葉を順番どおりに言うことが目的ではありません。

相談者によって状況は異なります。

  • 緊張している方
  • 早く本題を話したそうな方
  • なかなか話し始められない方

など、さまざまです。

だからこそ、「自分が何を言うか」だけではなく、「目の前の相談者にとって、今どのような関わりが必要なのか」という視点を持っておきたいところです。

15分という限られた試験時間にも注意

もう一つ、試験という観点から注意しておきたいことがあります。

キャリアコンサルティング協議会の実技面接は、50分のキャリアコンサルティング場面を想定し、面談開始から最初の15分をロールプレイする設定です。その後、5分間の口頭試問が行われます。

そのため、

  • 自己紹介
  • アイスブレイク
  • 守秘義務の説明
  • 面談についての説明
  • 話したくないことへの説明

などをすべて丁寧に行っていると、相談内容を聴くための時間が短くなってしまう可能性があります。

特に、「試験だから全部やっておいた方が安全なのではないか」と考え、準備した言葉を一つひとつ入れていくことには注意が必要です。

限られた時間の中で、相談者が何に困っているのか、何を訴えているのかをしっかり聴く時間を確保することも大切です。

大切なのは「何をするか」より「なぜするか」

自己紹介をする。

アイスブレイクをする。

守秘義務を説明する。

「無理に話さなくても大丈夫です」と伝える。

どれも、それ自体が良い・悪いという話ではありません。

考えていただきたいのは、「私はなぜ今、この関わりをするのか」ということです。

例えば、

  • 相談者に安心してもらうため
  • 緊張が強そうなので、少し話しやすい雰囲気をつくるため

という意図があるのであれば、その相談者の様子を見ながら関わり方を選んでいくことになります。

反対に、

  • 試験対策でそう教わったから
  • これを言えば加点されそうだから

という理由だけで形式的に行うのであれば、一度立ち止まって考えてみてもよいかもしれません。

実技面接で意識したいこと
「何を言えば正解か」だけを探すのではなく、その言葉や関わりが、目の前の相談者にとってどのような意味を持つのかまで考えてみましょう。

まとめ|目の前の相談者に合わせて柔軟に

実技面接の冒頭については、「必ずこの順番で、この言葉を言えばよい」という一つの型に当てはめすぎないことが大切です。

試験対策をしていると、どうしても「正解の言葉」を探したくなります。しかし、実際のキャリアコンサルティングでは、相談者は一人ひとり違います。

だからこそ、「目の前の相談者に安心してもらい、話を進めやすくするためには、今どのような関わりがよいのか」という視点を持って、柔軟に対応できるよう練習していきましょう。

実技試験で、

  • 「最初に何を言えばよいのだろう」
  • 「守秘義務まで説明した方がよいのかな」
  • 「すぐに相談内容に入ってしまってよいのかな」

と迷っている方は少なくありません。実際に、キャリコンシーオーにもこのようなご質問は多く寄せられています。

「何を言えば正解か」だけではなく、「なぜこの関わりをするのか」というところまで考えながら、ロールプレイを練習してみてください。


※本記事は、2026年9月2日時点で公開されている試験情報をもとに作成しています。試験の最新情報は、必ず各試験団体の公式サイトでご確認ください。

参考:キャリアコンサルティング協議会「受験概要」

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