第36回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

2026.9.6

第35回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

問1
相談者は、仕事が面白くなく転職活動を進めていた矢先、肺癌の疑いがあると言われ良性と分かる過程で、今の会社に居続けた方がよいのではと迷うようになった。大手企業のありがたみを痛感し、辞めるのは身勝手すぎるのではという思いや、妻の「無理に転職する必要はないのでは」との言葉からもリスクは避けた方がとも思う。一方、調整業務ばかりで技術的にも成長が感じられず、もっと自分の力を発揮してみたい、データベースを専門とした業務がやりたいという思いも強くなっている。恩を返すべきか挑戦のため外に飛び出すべきか答えが出せず、異動希望を出す方法もあるかなとも思い、どのようにしたらいいのか相談したい。

問2
1.「調整業務ばかりで~」等の発言から、技術的成長を求める一方、大学院での専門性とこれまでの経験・強みや、目指すキャリアビジョンに関する自己理解が不十分とみられる。
2.「異動希望を出す方法もある」等の発言から、病気をきっかけとした安定志向(リスク回避)の強まりから十分な検討を経ないまま現状維持的な選択肢に傾き、異動の現実性(希望の実現性等)や転職市場での客観的情報等の職業理解が不足している様子がうかがえる。
3.「恩を返すべきか」「妻の言うこともわかります」等の発言から、会社や家族を意思決定の理由とし、自身の本当の欲求・価値観の認識不足により、ライフプランの優先順位の整理や主体的な意思決定の軸が定まっていないと感じられる。

問3
1.病気をきっかけとした心境の変化やこれまでの経験・強みを振り返り、自身の本当の欲求・価値観、キャリアビジョンについての自己理解を深める。
2.異動の現実性や転職市場の情報収集に加え、二者択一に囚われない多様な選択肢についての職業理解を深める。
3.家族を含めたライフプランとキャリアビジョンの優先順位を整理し、今後について納得感のある主体的な意思決定ができるようになること。

問4
1.まず、相談者の「感謝や申し訳なさ」と「専門業務で力を発揮したい」という双方の思いを十分に受け止め、受容的・共感的に傾聴することで信頼関係を構築する。
2.その上で、病気をきっかけに生じた安定志向・リスク回避の思い、家族への配慮等の心境の変化を共に振り返り、自身の本当の欲求や価値観についての気づきを促す。
3.併せて、大学院時代の専門(AI・データサイエンス、自然言語処理等)や入社以来の実務経験を振り返り、相談者の強みや専門性、今後どのように成長し、力を発揮していきたいか目指すキャリアビジョンを言語化・整理し、自己理解を深める支援を行う。
4.異動の現実性(制度や業務内容等)や転職市場での客観的情報の収集・整理を促す。また、現部署での業務の工夫、挑戦の時期をずらす等といった多様な選択肢についても情報の収集整理や検討を促し、職業理解を深める。
5.妻の思いや今後の育児計画等、家族としてのライフプランについて十分に話し合うよう促すと同時に、キャリアビジョンとの優先順位を整理し、納得感のある主体的な意思決定ができるよう支援する。

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