キャリアコンサルタントはAIをどう使う?私が仕事で実践しているAI活用法と「間違った使い方」

2026.9.25


AIを仕事で使うことが、ずいぶん身近になりました。

文章を書いてもらったり、情報を整理してもらったり、アイデアを出してもらったり。

キャリアコンサルタントの仕事でも、AIを活用できる場面はたくさんあります。

私自身も、普段の仕事の中でAIをかなり使っています。

ただ、実際に使えば使うほど感じることがあります。

「AIを使えば、仕事がうまくいく」というわけではありません。

大切なのは、何をAIに任せて、何を人間が判断するのか。その使い分けだと感じています。

使い方によっては、効率が上がるどころか、間違った方向へどんどん進んでしまうこともあります。

今回は、キャリアコンサルタントとして、そしてキャリアコンサルタント養成講習や試験対策に関わる立場として、私が普段どのようにAIを使っているのか。

そして、AIを使うときに気をつけていることについてお話ししたいと思います。

1.私は普段、こんな仕事にAIを使っています

私の場合、AIは「仕事を代わりにやってもらうもの」というより、一緒に考えたり、整理したりする相手という感覚に近いです。

たとえば、ブログやYouTubeの企画。

キャリコンシーオーでは、キャリアコンサルタントに関する情報をブログやYouTube、SNSなどで発信しています。

そのテーマを考えるときにもAIを使います。

ただし、「キャリアコンサルタントについて何か面白いテーマを考えて」と丸投げするわけではありません。

個別説明会で実際に何度も聞かれた質問や、受講を検討されている方が迷われていること、受講生の方からいただいた質問など、まず現場で得た情報があります。

そのうえで、AIに次のようなことを聞いていきます。

  • 「この疑問をブログにするなら、どんな構成が分かりやすい?」
  • 「YouTubeのタイトルにするなら、どう伝える?」
  • 「20秒のショート動画にするとしたら?」

つまり、元になる情報や判断材料は人間が持ち、AIには整理や展開を手伝ってもらうという使い方です。

2.文章を書くときにもAIを使います

メール、ブログ、SNS、講座案内など、仕事をしていると文章を書く機会がたくさんあります。

ここでもAIは便利です。

自分で文章を書いてから、

  • 「もう少し読みやすくして」
  • 「少し堅いので柔らかくして」
  • 「意味は変えずに短くして」

などと依頼します。

あるいは、自分の考えていることをかなり詳しくAIに伝えて、最初の文章を作ってもらうこともあります。

ただ、出てきた文章をそのまま使うことはほとんどありません。

「これは私の考え方とは少し違う」「ここはもっと強く伝えたい」「この表現では誤解されそう」と修正を繰り返します。

AIが文章を作っているように見えて、実際には人間側が何を伝えたいのかを持っていないと、なかなか良い文章にはならないと感じています。

3.ひとつの情報をいろいろな形に展開する

これはAIを使うようになって、特に便利になった部分です。

たとえば、ひとつのブログ記事を作ったとします。

以前ならブログを書いて、それからYouTube用の内容を考えて、SNS用の文章を考えて……と、それぞれ別に作業していました。

ブログ → YouTubeロング動画 → ショート動画 → Instagram・Facebook

現在はこのように、ひとつのテーマをAIと一緒にさまざまな形へ展開できます。

もちろん媒体によって見ている方も違いますから、まったく同じ内容をコピーするわけではありません。

それぞれに合わせて伝え方を変えます。

こうした「形にする作業」については、AIによってかなりスピードが上がったと感じています。

4.講座や研修を考えるときにも使います

キャリアコンサルタント向けの講習を運営しているため、新しい講習や教材について考える機会もあります。

そんなときにも、AIを使って別の視点から考えてみます。

  • 「このテーマで受講者が知りたいことは何だろう?」
  • 「この構成で不足している視点はない?」
  • 「演習にするなら、どんな方法が考えられる?」

自分の考えとは違う視点が返ってくることもあるので、アイデアを広げるためにはとても便利です。

ただし、ここでも最終的に判断するのは人間です。

特にキャリアコンサルタントに関する制度や法律、講習の要件など、正確性が求められる情報については、AIの回答だけで判断せず、公的機関などの一次情報を確認するようにしています。

5.では、AIに任せてはいけないことは?

ここからが、今回一番お伝えしたいことです。

AIを使っていると、とても自然な文章で回答してくれるので、

「AIがこう言っているのだから正しいだろう」

と思ってしまうことがあります。

でも、ここには注意が必要です。

分かりやすい例が、キャリアコンサルタント試験の論述対策です。

最近では、自分が書いた論述答案をAIに入力して、添削してもらっている受験生の方もいるようです。

AIに、

  • 「この論述答案を添削してください」
  • 「合格できる答案に直してください」
  • 「この答案は何点ですか?」

と入力すると、それらしい回答が返ってきます。

文章もきれいになります。

一見すると、元の答案より良くなったように見えるかもしれません。

AIで論述添削をするときに考えてほしいこと

そのAIは、何を基準に「良い答案」と判断しているのでしょうか。

文章をきれいに直せることと、資格試験で評価される答案を判断できることは同じではありません。

6.AIは「採点者がどこを見ているのか」を知っているのでしょうか

文章として読みやすい。

論理的につながっている。

キャリアコンサルティングとしてもっともらしい。

AIは、こうした観点から文章を改善することはできます。

しかし、それと、「資格試験で評価される答案」であることは、必ずしも同じではありません。

試験には、その試験で問われていることがあります。

そして、答案のどこを見て評価するのかというポイントがあります。

その判断基準をAIが正確に持っていない状態で、「もっと良い答案にしてください」と何度も添削させたら、どうなるでしょうか。

AIで添削する

↓

文章としては、どんどんきれいになる

↓

ところが、試験で評価されるポイントから離れてしまうことも

本人は「良くなった」と感じているのに、実際には評価される答案から離れていってしまう。

そんなことも起こり得ます。

AIで添削すること自体が悪いのではありません。

問題は、「何を基準にAIが判断しているのか」を確認せず、AIに判断そのものを任せてしまうことだと思います。

7.「AIに聞く」と「AIに判断させる」は違う

私は、この違いがこれから非常に重要になると思っています。

AIに任せやすいこと 注意が必要なこと
「この文章を300文字以内に整理して」 「この答案は合格レベル?」
「AとBの違いを表にして」 「AとBではどちらが正しい?」
「私が挙げた5つの条件で比較して」 「この人にはどんな支援が必要?」
「このテーマからアイデアを広げて」 「専門家として評価・採点して」

「AIに聞く」と「AIに判断させる」は違う。

AIが答えを出してくれることと、その答えが正しいことは別です。

特に、自分自身がその分野について詳しくない場合、AIがもっともらしく回答すると、その間違いに気づくことも難しくなります。

8.専門知識がある人がAIを使う意味

これは、AI時代のキャリアコンサルタントを考えるうえでも、とても興味深いところです。

AIがこれだけ便利になると、「専門知識は必要なくなるのでは?」と思われるかもしれません。

私は実際にAIを使っていて、むしろ逆のことを感じる場面があります。

専門知識があるからこそ、AIの回答を判断できる。

「これは使える」「これは違う」「ここは情報が古い」「この条件が抜けている」「この判断には根拠がない」と判断できるから、AIを仕事に活用できます。

同じAIを使っていても、判断基準を持たずにAIを使う場合と、専門知識を持った人がAIを使う場合では、得られる結果が大きく変わる可能性があります。

AIが専門家に代わるかどうかだけを考えるのではなく、

「専門家がAIを使ったらどうなるのか」

という視点も必要なのではないでしょうか。

9.AIを「答えを教えてくれるもの」にしない

私自身、AIをかなり使っています。

とても便利ですし、もう使う前の仕事の仕方には戻れないと感じる場面もあります。

でも、だからこそ、AIを「正解を教えてくれるもの」としては使わない。

ここは意識しています。

自分の考えを整理する。違う視点を出してもらう。大量の情報を整理する。文章を形にする。アイデアを広げる。

こうしたことには積極的に使います。

一方で、専門的な判断が必要なところでは、次のことを人間側が確認します。

  • なぜそう言えるのか?
  • 根拠は何なのか?
  • その判断基準は正しいのか?

AIが便利になればなるほど、こうした姿勢が重要になるのではないでしょうか。

10.AI時代だからこそ「自分で判断する力」が必要になる

「AIによって、これから仕事はどうなるのか?」

このテーマについては、これからもさまざまな議論が続くと思います。

でも、実際にAIを仕事で使っている私が感じているのは、AIを使えることと、AIを使いこなせることは違うということです。

AIに質問するだけなら、誰でもできます。

しかし、その回答を評価し、自分の仕事にどう使うかを決めるためには、知識や経験、そして判断する力が必要です。

これはキャリアコンサルタントにとっても、これから重要なテーマになると思います。

AI時代に大切だと感じていること

AIに仕事を任せるのではなく、人間が考え、人間が判断し、そのためにAIを使う。

AIを使うこと自体が目的ではありません。

専門知識や経験を持った人がAIを道具として使うことで、これまで以上にできることが広がっていくのではないでしょうか。

私自身も、これからAIを使いながら、キャリア支援の仕事とAIがどのように関わっていくのかを考えていきたいと思います。

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AIによって仕事はどう変わっていくのかについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

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