仕事と介護の両立に悩む48歳女性|キャリアコンサルタントはどう支援する?【ロールプレイ解説】

2026.10.21

キャリアコンサルタントは、仕事と家族の問題が重なったとき、相談者をどのように支援するのでしょうか。

例えば、仕事では責任ある立場を任されている一方で、離れて暮らす親の介護が気になり始めた場合です。

「仕事は続けたい。でも、母親を一人にしておいて大丈夫だろうか」

「これから介護が必要になったら、仕事を辞めなければならないのだろうか」

こうした相談には、簡単に答えを出せない難しさがあります。

今回は、48歳女性の「仕事と介護の両立」をテーマにしたロールプレイ事例を取り上げ、キャリアコンサルタントがどのように相談者の話を聴き、状況を整理していくのかを解説します。

これから国家資格キャリアコンサルタントを目指す方にも、実際の仕事内容を知っていただきたい事例です。

目次

  1. 48歳女性の相談事例とは?
  2. 仕事と介護の両立|実際のロールプレイ動画
  3. 相談者は何に不安を感じていたのか
  4. まず母親の現在の状況を整理する
  5. 仕事を辞める前に考えられる選択肢
  6. ロールプレイを振り返る|キャリコンの関わり方
  7. 養成講習ではどのようなことを学ぶのか
  8. まとめ|相談者が次の一歩を考えるための支援

1.48歳女性の相談事例とは?

今回の相談者は、48歳の女性です。

IT関連企業で長年勤務し、現在はプロジェクトの責任者として仕事をしています。

夫と2人の子どもがいる一方、73歳の母親は車で約1時間半離れた実家で一人暮らしをしています。

半年前に父親が亡くなってから、母親には物忘れなど、少し気になる変化が見られるようになりました。

相談者は週末に実家を訪ね、買い物などを手伝っています。

しかし、平日は仕事があり、母親の様子を確認することが難しい状況です。

母親を自宅に迎えることも考えましたが、母親自身は今の生活を続けたいと考えているようです。

さらに、自宅に迎えたとしても、日中は家族が不在になるため、心配がなくなるわけではありません。

仕事を続けながら、これから母親をどのように支えていけばよいのか。

そのような悩みを抱えて、キャリアコンサルティングを受けに来られました。

2.仕事と介護の両立|実際のロールプレイ動画

まずは、今回の相談場面を再現したロールプレイ動画をご覧ください。

【ロールプレイ】仕事と介護の両立に悩む48歳女性|介護・キャリア・家族の葛藤をどう整理するか

YouTubeでこのロールプレイ動画を見る

この動画では、相談者が感じている母親への不安と、現在の仕事への思いを確認しながら、これからどのように対応していくかを考えています。

特に、医療機関への相談や、離れて暮らす母親との関わり方について話が広がっていく場面に注目してください。

3.相談者は何に不安を感じていたのか

今回の相談者が心配しているのは、母親に今すぐ全面的な介護が必要になったということではありません。

現時点では、母親は一人暮らしを続けています。

近所の喫茶店に出かけて知人と話をしたり、食事を作ったり、薬を管理したりすることもできています。

一方で、物忘れが気になり始めています。

仕事中に母親から間違い電話が繰り返しかかってくることもあり、相談者は、これから状況が悪くなるのではないかと不安を感じています。

現在の問題と、将来への不安は分けて考える

ここでキャリアコンサルタントが意識したいのは、現在実際に起きていることと、これから起こるかもしれないことを区別する視点です。

  • 母親には物忘れが見られる
  • 現在も一人暮らしを続けている
  • 認知機能について専門的な診断は受けていない
  • 相談者は将来の介護負担を心配している
  • 仕事を続けながら母親を支えたいと思っている

こうした状況を整理することで、相談者が何について困っているのか、何を確認する必要があるのかを考えやすくなります。

まだ起きていないことへの不安が、大きな決断を急がせてしまう場合もあります。

だからこそ、相談者の気持ちを受け止めながら、現在の状況を丁寧に確認していくことが重要です。

4.まず母親の現在の状況を整理する

今回のロールプレイでは、母親の生活状況について具体的に話を聴いていきます。

母親は自宅で生活し、近所の人との交流もあります。

薬の管理も自分で行っており、現時点で生活全般に介助が必要という状況ではありません。

しかし、相談者にとっては、離れて暮らしているために日常の様子が見えないことが不安につながっています。

母親本人の意向も大切にする

相談者は母親との同居も考えていますが、母親は自宅を離れることを望んでいないようです。

介護の問題では、家族が安心できる方法と、本人が希望する暮らし方が必ずしも一致しません。

そのため、相談者の希望だけでなく、母親自身の考えや現在の生活環境も尊重する必要があります。

医療の専門家に確認することも重要

面談では、母親の物忘れについて医療機関で相談することが話題になります。

物忘れがあるからといって、必ずしも認知症とは限りません。

キャリアコンサルタントが病気を診断することはできませんので、必要に応じて医師などの専門家につなぐ視点が大切です。

現在の状態がどのようなものなのかを専門家に確認することで、今後必要な支援について考えるための情報が得られます。

5.仕事を辞める前に考えられる選択肢

今回の相談者は、仕事と母親のことをどう両立するか悩んでいました。

しかし、仕事を辞めることや、すぐに介護休業を取得することだけが選択肢ではありません。

ロールプレイでは、次のような可能性について話し合われています。

① 医療機関に相談し、現在の状態を確認する

母親が通院している医療機関に相談し、必要であれば認知機能について確認できる専門機関を紹介してもらう方法が考えられます。

相談者自身も、母親の受診に同行することを検討しています。

② 離れて暮らしていても、家族が関わる方法を考える

面談では、ビデオ通話などを活用し、離れて暮らす母親と日常的に会話する方法も話題になります。

相談者だけでなく、夫や子どもたちも含めて、家族で関わることができるかもしれません。

ただし、利用する方法については、母親本人の希望や使いやすさ、プライバシーにも配慮する必要があります。

③ 必要に応じて介護サービスや勤務先の制度を確認する

今後、母親の生活に支援が必要になった場合には、地域包括支援センターなどの相談窓口や介護サービスを活用することも考えられます。

また、相談者自身が仕事との調整を必要とする場合には、勤務先の介護休業制度などについて確認することも選択肢になります。

介護休業は、長期間の介護を本人だけで担うためというより、介護体制を整えるために活用するという視点も重要です。

いずれも、利用条件や本人・家族の状況を確認しながら検討する必要があります。

大切なのは、今すぐすべてを決めるのではなく、現在の状況に応じて必要な情報や支援を整理することです。

6.ロールプレイを振り返る|キャリコンの関わり方

ここからは、キャリアコンサルタントを目指す方に向けて、今回の面談の関わり方について考えてみたいと思います。

① 不安を受け止め、相談者の状況を理解する

相談者は、母親のことを心配する一方、現在の仕事も大切にしたいと考えています。

そのため、単に介護の方法を説明するのではなく、相談者が何に不安を感じ、今後どのように働いていきたいのかを理解することが重要です。

② 情報提供の前に、相談者の考えを確認する

今回の面談では、医療機関への相談やビデオ通話など、キャリアコンサルタント側から具体的な提案を行う場面があります。

選択肢を広げることには意味がありますが、提案が多くなると、相談者自身の思いや希望を十分に確認できなくなる可能性もあります。

例えば、次のような問いかけも考えられます。

  • お母様のことで、今一番心配しているのはどんなことでしょうか
  • お仕事については、これからどのように続けていきたいと考えていますか
  • お母様ご自身は、これからどのような生活を希望されているのでしょうか
  • ご家族と相談できそうなことはありますか

情報提供や提案を行う場合にも、相談者の意向を確認しながら進めることが大切です。

③ 医療・介護の専門家との役割分担を考える

キャリアコンサルタントは、医師や介護の専門職に代わって判断をする立場ではありません。

相談者が適切な情報を得られるよう、必要に応じて関係機関への相談を促すことが重要になります。

④ 相談者自身が次の行動を考えられるようにする

今回の面談の最後に、相談者はもう一度家族で話し合ってみようと考えています。

面談の中で介護の問題がすべて解決したわけではありません。

しかし、これまで漠然と感じていた不安について、確認できることや家族と話し合えることが見えてきました。

相談者自身が、今後の方向性を考えるための一歩を見つけられたことが、今回の面談の重要なポイントです。

7.養成講習ではどのようなことを学ぶのか

「キャリアコンサルタントに興味があるけれど、自分にもこのような相談ができるようになるのでしょうか」

初めてキャリアコンサルタントを目指す方の中には、そのような不安を感じる方もいらっしゃると思います。

キャリアコンサルティングでは、知識を身につけるだけでなく、実際の相談場面を想定した練習が重要です。

例えば、今回の事例であれば、次のような点を学ぶことができます。

  • 相談者との信頼関係の築き方
  • 不安や気持ちを丁寧に聴く方法
  • 現在の状況と将来への心配を整理する方法
  • 相談者の考えを深める問いかけ
  • 必要な情報提供や関係機関との連携
  • 相談者の主体性を尊重した意思決定支援

キャリコンシーオーのキャリアコンサルタント養成講習では、ロールプレイによる実践的な練習を重視しています。

また、養成講習修了後には3ヶ月間の無料合格講座をご用意し、国家資格取得に向けた学習をサポートしています。

受講前には個別説明会を実施し、講習内容や学習方法、仕事との両立などについてご説明しています。

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8.まとめ|相談者が次の一歩を考えるための支援

今回の48歳女性のロールプレイでは、仕事と介護の両立に不安を抱える相談者に対して、現在の母親の生活状況や、今後確認すべきことを整理していきました。

医療機関への相談、家族との協力、必要に応じた介護サービスや勤務先の制度など、複数の選択肢があります。

しかし、キャリアコンサルタントが相談者に代わって答えを決めるわけではありません。

相談者の気持ちを丁寧に聴き、必要な情報や選択肢を一緒に整理しながら、本人が今後の方向性を考えられるように支援します。

キャリアコンサルタントの仕事は、相談者が自分自身の人生や仕事について、納得できる選択をしていくための支援です。

今回のロールプレイを通じて、その仕事の一端を感じていただければと思います。

これから国家資格キャリアコンサルタントを目指したい方は、ぜひキャリコンシーオーの養成講習もご覧ください。

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※本記事は、学習用の架空事例によるロールプレイを解説したものです。医療上の判断や介護サービスの利用については、それぞれの専門機関にご相談ください。

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