第20回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

2022.8.10

第20回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
JCDA
問い1
事例Ⅰではcl7で「他の人に相談するのをためらう」気持ちに気づき、目を向け始めたclに対して、cct7「仕事のやり方がまだ身についてない」等cctの固定観念で応答し話を進めている。その後もcl9の「心配」やcl16「考え方を変えないと」等clの気持ちを受止めず、上司や同僚等他者に話題を展開しclの内省を促せていない。一方事例Ⅱではcl7を受け相談をためらう経験の再現を促し、そのときのclの気持ちに好意的関心を持ちながらさらに問いを重ねることで内面の表現を励ましている。それにより「弱さを」見せたくない等cl自身のものの見方が明確化され、さらに「そんなに自分を守る必要があるのか」と深く自己探索が進む展開となっている。

問い2
相応しくない
Cl10「何か考えを変えないと」という気持ちを「まだ気にされている」と受け止めず、clへの受容と共感的理解が不足しているため。またcctの主観で上司の対応を評価していて、clの内省を妨げてしまっているため。
相応しい
Cl11「能力がないと~」を受止めその気持ちに対して問いかけることでcl12「弱さを見せたくない」とさらに内面の表現を促し、「そんなに自分を~」と新たな気づきを促しているため。
問い3
1、まず自分でやってみることを大事に考えているが相談や質問をためらう気持ちの裏にはcl11「能力がないと~」やcl12「自分の弱さ~」等の気持ちがあったことに気づいていなかったことから自己理解不足が考えられる2,そのためらいの気持ちにより、適宜上司や先輩に相談や質問ができず、コミュニケーションの問題も見受けられる。3,結果、仕事がうまく進められないことから自己効力感の低下も伺える。以上から今の仕事をこのまま続けていけるか不安になっていることが問題

問い4
1、引き続きclの不安な気持ちに寄り添い、ラポールを深める。2,cl12の気持ち、特にclに「自分の弱さを~」「そんなに自分を~」について内省を促し、相談や質問をためらう気持ちとその妥当性を考えてもらう一方で、どのように働いている自分でありたいかclの仕事の考え方や価値観など自己理解が深まるようサポートする。3,その上で相談や質問をはじめとする上司や先輩とのコミュニケーションの在り方についても一緒に考え、実践をサポートする(必要に応じアサーション、技法等の情報提供を行う。)4,適切な相談、質問の実践と業務の遂行による成功体験から自信を取り戻し、自らのありたい姿に向け不安なく仕事を続けられるよう支援する。