第20回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例 (協議会)

2022.8.10

第20回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
キャリアコンサルティング協議会
設問1
相談者は洋服が好きで販売職(契約社員)をしている。仕事は楽しいがコロナ禍もあり、先が見通せないような気がして将来のことを考えると、何か違う安定した仕事についた方がいいのかとも思う。人事の面談も何をどう話したらいいか整理がつかないことが問題。

設問2
1,相談者の気持ちを受止め、ラポールを深める。2,「何か違う事をしなければ」と考える背景を問いかけ、抱えている問題の理解を深める。3,「具体的」なことを問いかけることで「何か違うこと」に対する相談者自身の気持ちについて内省を促す等の意図があると考える。

設問3
①問題
洋服が好きで今の仕事も好きだが、周囲の状況や言動の影響を受け「何か違うことを~」と考えている。とはいえ他に何の仕事をするのか正社員で就職できるのか等どうしたらいいかわからなくなっていることが問題。
②その根拠
1、「これから何か見つけられるのか」等の発言から経験、能力、価値観等、自己理解不足が見られる。2,「正社員」「安定した仕事」等仕事を漠然と捉えていること、アパレル業界についても「全体が厳しいと感じる」等具体性がないことから仕事理解不足も感じられる。3,今の「何か違うこと」という思いは周囲の影響を受けてのものであることから相談者自身のキャリアビジョンが不明確と考えられる。

設問4
1、引き続き相談者の悩みに寄り添い、ラポール形成に努める。2,現在の「別の仕事を」という気持ちには周囲の状況や言動の影響があることに気づきを促すとともに、相談者自身がどうしたいのか考えるため以下のことに一緒に取り組む(同意を得る)3,自己理解のためジョブ・カードを用いて経験や能力をはじめ、興味(アパレルの仕事のどんなところが好きか等)価値観(働く上で何が大切か)知れるよう促す4,仕事理解のため、アパレル業界の動向や「正社員」「安定した仕事」について具体的に知れるよう情報収集の支援や情報提供を行う。また必要に応じて日本版O-netを用いアパレル以外の仕事も知れるようサポートする。5,相談者自身がキャリアビジョンを明確化し今後、主体的に意思決定できるよう支援する。