# コロナ以降のキャリア変化

– 目次 –

1.　はじめに

2.　新型コロナウイルス蔓延がもたらした仕事環境の変化

3.　支援を行っていくうえでコロナ禍で生まれた感情・思い

4.　コロナ禍の今こそ取り組んでみてほしいこと

5.　最後に

01.はじめに

 
 
2020年の年明け早々に世界中を震撼させた新型コロナウイルスの蔓延。

その前に流行った鳥インフルエンザや豚インフルエンザと同じく

「しばらくすれば沈静化する」と予想していた方も多かったのではないでしょうか？

それが蓋を開ければ2020年の東京オリンピックは1年遅れでの開催になり、

緊急事態宣言まで複数回発令され、

この記事を執筆している2022年9月現在も渦中にいるとは・・・

誰が予想していたことでしょうか？

この未曾有の事態であらゆる変化の波に揉まれ、

キャリア（働き方・生き方）に対する考え方が

変わってきた方も多くいらっしゃると思います。

そこで今回は「コロナ以降のキャリア変化」

について考察もまじえながらお伝えします。

 
 

02.新型コロナウイルス蔓延がもたらした仕事環境の変化

 
 
まずコロナ禍で生じた大きな仕事環境変化の一つに

テレワーク導入に伴う在宅ワークの浸透が上げられると思います。

それまでいくら政府が推進しても遅々として進まなかった

テレワークが業種による差はあるものの、

皮肉な形で大企業を中心にどんどん浸透しました。

在宅ワークを始めるとそれまで「当たり前」

と思っていた通勤に要する時間が不要になり、

ワークライフバランスの実現もしやすくなってきました。

良い変化もあった一方で、

在宅ワークの浸透に伴いこれまであった「人の目」が

なくなったことで緊張感が緩み、

やる気や気力の低下に繋がる現象もあります。

また入社当初から在宅ワークを余儀なくされた新入社員は

孤立感を覚え、上司・先輩・同期との関係も希薄になりがちで

業務スキルの習得や帰属意識の形成が困難になる

といった側面が出てきました。

上司の立場からしても、

部下の活動状況が把握しづらくなり、

評価が難しくなってきた側面が出てきました。

 
 

03.コロナ禍で生まれた感情・思い

 
 
そんな仕事環境の変化があった中で、

人々にはあらゆる思いが生まれました。

一番多いのは、これまでのステレオタイプの崩壊に

拍車が掛かったことではないでしょうか？

これまでも「絶対につぶれることはない」

と思っていた会社が倒産するなどして、

「明日は我が身」と思っていたことがより現実味を帯びて、

「自分事」になった方もいらっしゃることと思います。

いわゆる偏差値の高い学校を卒業して、

一流企業や公務員になれば一生安泰といった考えや、

会社に滅私奉公さえしていればあとは会社がキャリアパスも含め

「何とかしてくれるだろう」といった考えが

通用しなくなったことにいよいよ気づき始めたのです。

そうなると自分はこれから仕事を含め、

どう生きていきたいか？

本当は何をしたいのかを考えることとなり、

ずっと転勤族でいたけれどこのままでいいのか？

など色んな感情や思いが渦巻くようになった方も多いと思います。

実際、行動に移した人も多く見受けられます。

女性であれば妊娠を機に退職、

その後しばらくは育児に専念される方もいらっしゃるでしょう。

コロナになっていなければ、育児が最優先できる職場で

子供の成長に伴って働く日数を徐々に増やす形で

働くことを選択できることもコロナ前までは可能でしたが、

そうでなくなったことで

「やりたいと思っていることを繰り延べにしてチャンスを逸したくない」と

思い、個人で活動することも選択肢のひとつとして存在しています。

他にも安定した公務員の立場を手放して独立された方が複数いらっしゃいます。

 
 

04.コロナ禍の今こそ取り組んでみてほしいこと

 
 
そんな揺らぐ思いに焦点を充てて、

コロナ禍の今だからこそ、取り組んでみてほしいことがいくつかあります。
 
 
①キャリアの棚卸

棚卸しというのは、これまでの職業人生を振り返って

どんなことをして来たのか、

職務経歴を期間・会社名・部署名・役職名・

業務内容（定量的内容があればそれも含め）を詳細に書き出したりするなどして

可視化してみる一連の作業のことです。

とりわけこれまで新卒で入社以降ずっと同じ会社でお勤めされてきた方は、

棚卸しを一度もされたことがない方も多いと思うので、

ご自身のキャリアを振り返る良い機会になると思いますし、

ご自身の強みなどを把握するきっかけにもなると思います。
 
 
②キャリア・アンカーの確認

キャリア・アンカーとは、キャリア理論の専門家である

エドガー・シャインの提唱した概念で、

個人がキャリア個人が自らのキャリアや働き方を選択する際に、

どうしても譲れない価値観や欲求、コンピテンス（能力）のことを指します。

生涯に渡り働き方の軸になるもので、

30歳前後に固まると言われています。

8つの分類（①特定専門分野／機能別のコンピテンス、②全般管理コンピテンス、③自律／独立（自由）、
④保障／安全、⑤起業家的創造性、⑥純粋な挑戦、⑦奉仕／社会献身、⑧生活様式）があり、

自身がどれにあてはまるかは40項目に渡る質問に答えることで知ることができます。

「キャリア・アンカー診断」でネット検索すると出てくるので、

ぜひお試しください。

知ることで満足度の高い働き方を選択しやすくなるからです。
 
 
③ライフラインチャートの作成

ライフラインチャートとは、

これまでの自分の人生を振り返り

その時々の幸福度を可視化して知るツールで、

縦軸に幸福度、横軸に時間（年齢）を取って記入します。

実際に記入する前に、これまでの人生を振り返って

転機、成功体験、失敗体験を書き出します。

続いてそれをライフラインチャート上にプロットして、

山谷がある箇所には先程書き出した出来事を転記します。

どういったことで自分は山谷を感じるのか等を知るきっかけになります。
 
 
④内省

内省とは、自分自身と向き合い、

自分の考えや言動を振り返り、気付くことです。

例えば、「私はこれまでどんな信念に沿って働いてきたんだろう？」

「あの時がんばれたのには、どんな背景があったのだろう？」

といったことを深く掘り下げて考えたりします。

これらに取り組んでいる中で

ご自身でうまく進められないと感じたり、

客観的視点がほしいと感じた場合には、

信頼できる友人に見てもらう、

キャリア形成支援の専門家キャリアコンサルタントに

頼ってみるのもおすすめです。

 
 

05.最後に

 
 
withコロナ・afterコロナ時代を生きる我々にとって求められるスキルに

「変化への適応力」、「コミュニケーション能力」

があると感じています。

これらがあったり、意識しておくことで

いつ来てもおかしくない新たな波を乗りこなせたり、

孤独感を最小限に抑えられる気がするからです。

みなさんが変化の波にしなやかに適応して、

充実したキャリア形成ができるよう心よりお祈りしております。

 
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