# 2022年におけるインターンシップ

– 目次 –

1.　はじめに

2.　大学におけるインターンシップとは

3.　インターンシップの弊害

4.　最後に

01.はじめに

 
 
キャリアコンサルタントを目指されている方の中には、

企業内で人事に携われる、

或いは大学生への就職支援業務に従事

など希望されている方も多いかと思います。

新卒の就職活動に関わる場面で、

近年おさえておかねばならないものの一つに

「インターンシップ」があるのではないでしょうか。

就職活動と言っても、

時代によって活動時期も違えば、

内容も違います。

イメージのミスマッチがクライエントの支援に

大きく影響する場合があるため

最近の就職活動の状況と

ご自身の中のイメージとのすり合わせになるような

内容になればと思います。

 
 

02.大学におけるインターンシップとは

 
 
文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省連名の資料によると、

インターンシップとは

「学生が在学中に自らの専攻やキャリアに関連した就業体験を行うこと」

とされています。

ここで注目したいのは「選考」については

明記されていないことですが、

実際ほとんどの企業がインターンシップを

「選考と関連がある」と考えるとよいでしょう。

同じインターンシップでも内容は様々で、説明会のようなものから、

仕事体験や業界研究のようなものまであります。

１DAYが多く、複数日にかけて行うものもあれば、

1か月単位を要するものもあります。

多くは無償ですが、

アルバイトのような有償でのインターンシップも存在します。

コロナ渦で急速にオンライン化が進んだこともあり、

オンラインでのインターンシップも増え、

これまで以上に企業と学生それぞれ接点を持ちやすくなりました。

インターンシップの時期は

「夏のインターンシップ」と「冬のインターンシップ」の

大きく２つに分けられます。

大手就職ポータルサイトの「リクナビ」「マイナビ」での

インターンシップのエントリーが

大学3年生の6月1日に解禁になります（2022年現在）

また、大学内で募集されるインターンシップであれば

6月以前と解禁が早いこともあります。

経団連の就活解禁日が大学3年生の3月1日となっていますので、

実質半年以上早い時期から

解禁になっていると言ってよいでしょう。

ほとんどは大学3年生、或いは院１年生を対象としたものですが、

それ以下の学年が参加可能なものもあります。

インターンシップに参加した学生すべてが

選考に進めるわけではありませんが、

インターンシップに参加した学生のうち

早期選考に進むこともあれば、

選考過程をいくつか免除されるケースもあります。

学生側としても、早い段階から

就職活動に対する準備を始めることができ、

仮にインターンシップで目当ての企業に出会えず

早期選考に進めなかったとしても、

業界・業種研究の機会が多くあり、

本選考を受ける頃にはある程度経験値を積んだ状態で

選考に臨めます。

また、その企業を受ける他の就活生の傾向なども伺えます。

これらの理由から、実際の学生の意見を聞いてみても

「インターンシップに参加しておいてよかった。
もっと参加すればよかった」

という声は多いです。

企業側としても、早い段階から

優秀な学生を見つけるチャンスが増えることになるため、

インターンシップ制度を取り入れる企業は年々増加傾向です。

株式会社DISCOの調査によると、

2022年度のインターンシップは7割弱の企業が

「実施予定」と回答し、具体的なコメントを見ても、

「積極的にインターンシップに参加する学生は反応もよく、
魅力的な学生が多い」

と答える企業もありました。

両者にとってwin-winといえることから、

この風潮が大きく変わることはしばらくないと考えます。

 
 

03.インターンシップの弊害

 
 
インターンシップが広く取り入れられるようになってから、

結果的に就職活動は年々早期化の一途をたどっています。

これらの影響を受けるのは「大学生活」でしょう。

多くのインターンシップは大学3年生を対象に行うことから、

部活動やゼミ活動、研究活動などが

最も忙しい時期と被ってしまうため調整が必要になります。

夏休みや冬休みを利用してインターンシップが行われるとはいえ、

結局のところ夏のインターンシップの

申し込みのピークは6月～7月で、

エントリーシートの内容を必死に考えながら

学業や部活動、アルバイトなどと両立させなければなりません。

中には大学で単位認定の対象となる

インターンシップもありますが、多くは対象になりません。

そしてインターンシップや説明会などが講義と重なったとして、

面接や筆記試験などの「選考」扱いはされないため、

公欠扱いにもならない場合がほとんどです。

弊害の二点目は、「就活生の二極化」です。

コロナ禍の影響もあり、

対面でコミュニケーションを図るような集団で

活動することを控える風潮になり、

人によって得られる情報量に差があると感じます。

それまでは同級生がスーツを着てきている

キャンパス内を歩いている姿を見て、

「自分もそろそろ就活考えないといけないかな？」と

思う機会も多かったはずなのに、

就活生にとってそういった機会損失が増えたと言えそうです。

就職活動の解禁は公式では3年生の3月です。

3月になってから「就活何から始めたらいいですか？」と

質問に来る学生も少なからずいるようです。

最後は、「内定辞退の増加」です。

就職活動が早期化する中、

オンライン化によって気軽に企業への応募が可能になったため、

企業も学生もお互いにアプローチすることが容易になりました。

企業は優秀な学生を早めに獲得しようと、

インターンシップに参加した学生の中から早期選考を行い、

早期に内定を出す傾向があります。

すると学生の内定保持数は自ずとを多くなり、

結果的に内定辞退の数も多くなってしまいます。

学生にとって気軽に企業エントリーできることは

メリットではありますが、

企業側から見ると

「志望度の高くない子が増えた」
「就活フェーズが低い学生が正直多い」と

感じるシーンがあるようで、

企業側の手間は増えたのに

優秀な学生に内定辞退されてしまうとの悩みもあるようです。

 
 

04.最後に

 
 
インターンシップやオンライン面接、

直接スカウトなど、企業はあらゆる手を使って

優秀な学生を獲得したいと思っています。

2022年現在ではそれが流行ではありますが、

時代が移り変わるにつれ、採用方法は変わっていくでしょう。

こうした時代の流れと、それによって

どういった影響が出るのかについて、

キャリアコンサルタントは敏感に察知して

クライエントのフォロー、

或いは先回りをしていく必要があります。

「今現在採用現場で起こっていること」については、

クライエントと話すことが一番情報収集の手段としては有効です
（相談の目的が情報収集になってしまってはいけませんが）

現場で多くのクライエントに会うことが、

キャリアコンサルタント自身を成長させてくれます。

そしてその積み重ねが次のクライエントの支援に繋がっていくのです。

キャリアコンサルタントは常に自己研鑽が必要な仕事です。

そしてそこから得られるものも非常に多いと感じます。

こうした良い循環をぜひ皆さんも生み出していってくださいね。

 
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