キャリコンシーオー オリジナル【1級 ケース2記録】1級キャリアコンサルティング技能士

2022.11.26

【 ケース2 】
事例相談者:キャリアコンサルタント(相談歴2年)
相 談 者:Bさん、男性(45歳)

【来談経緯】
約10年間勤めた会社を4カ月前に退社。現在は失業保険を受給しながら求職活動中であるが、今後の方向性に迷っている。これまでの経験を活かした仕事に就くか、新しい仕事にチャレンジするか、どのように決めていけばいいのかわからないため相談したい。

【面談経過】
 Bさんは、これまで複数事業所でホテルスタッフとして勤務してきた。前職はコロナ禍をきっかけに勤務先が廃業してしまい退職。現在は求職活動中だが、今後の方向性で迷っている。
Bさんとしては、これまでと同じホテル業界で就職するのが一番確実で無難だと思うが、今回の退職を機に、新しい仕事にチャレンジするのも良いかもしれないと考えている。
「新しい仕事というのは、どのような仕事を考えているのですか」と尋ねると、「自宅近隣には小さな工場がいくつかあるので、そういった会社で何かものづくりの仕事などをしてみてもいいかもしれない」、また、「後は運転が好きなので、配送の仕事なんかもいいかもしれませんね」とのことだった。
Bさんの年齢やキャリアからすれば、経験のあるホテル業界の方が就職可能性も高いし、より良い条件での就職が可能だと感じた。しかし、コロナ禍という外部環境の変化により退職を余儀なくされたBさんからすれば、異業種にキャリアチェンジしたいというのももっともだと思うし、それも一つの方向かとも思った。
しかし同時に、これまでホテル業界しか経験のないBさんが今から全く未経験の仕事で雇ってもらうのは難しいと考えた。特にものづくりにおいては、これまで接客業の経験しかないBさんが採用される可能性は高くないだろう。せめて何か基礎的な知識やスキルを持ったうえででなければ就職活動が苦戦することは目に見えている。そこで、失業保険受給中ということでもあったので、職業訓練の制度を紹介し、受講を検討してみてはどうかと提案した。
Bさんは、職業訓練の制度を全く知らないようだったので、制度の概要について説明し、一度ハローワークで詳しい話を聴いて、前向きに検討してみることを勧めた。

【所感】
Bさんのキャリアや年齢などを考えると、これまでの経験を活かした方がよいと感じたが、新しい仕事へのチャレンジしようという気持ちも理解できた。しかし、未経験職種への就職となるため、職業訓練の受講を検討していただき、後日再度面談すると約束したものの、来訪はなかった。Bさんには、どのような支援が必要だったのか、指導を受けたい。