キャリコンシーオー オリジナル【1級 ケース3記録】1級キャリアコンサルティング技能士

2022.11.27

【 ケース3 】
事例相談者:キャリアコンサルタント(相談歴2年)
相 談 者:Cさん、女性(21歳)私立四年制大学経済学部3年生
相談時期:11月

【来談経緯】
特に仕事にはこだわりがないので、勤務地や就業時間などで条件の良い企業に勤められたらいいと思っていた。しかし、先日参加した就職セミナーで、内定を得るには仕事に関する自分の希望や志向を明確に持っていないといけないと聞いて、戸惑っている。今後就職活動をどのように進めるべきか、その方法を教えて欲しいと、相談に来た。

【面談経過】
 Cさんは、3年生で今のところまだ就職活動らしきことは何もしていなかったが、先日友人に連れられて学内の就職セミナーに参加した。
 Cさんは、就職について、「どうしても大手企業に行きたい」、「絶対〇〇業界に行きたい」などといったこだわりはないため、そんなに必死にならなくても、何かしら就職先は見つかるだろうと思っていた。しかし、そのセミナーの講師から「今の就職活動では、仕事に関する自分の希望や志向をしっかり伝えられないと、どんな会社でも内定を得るのは難しい」との話があり、就職活動ってそんなに難しいものなのか、と戸惑っているとのことだった。Cさんは、セミナーでのいきさつを一通り話した後「なので…これから就職活動をどんな風に進めていったらいいか教えてください」と訴えた。
 アドバイスするにも現状を知る必要がある思い、Cさんの就職に関する希望を尋ねると、「特に何の仕事がしたいとかはなくて…でも、そうですね、家の近くで、残業がなくて、お休みの多い仕事がいいです」と答えた。しかし、Cさんの自宅近くは住宅街なので、求人も少なく、選べる仕事も限られてくることを説明したところ、「うーん、でも、家から近くて、時間やお休みが希望に合えば、本当に何でもいいんです。こだわりはありません」と答えた。「ただ、セミナーの先生は『それだと就職が決まらない』っていうので…どうしたらいいですか?」
彼女の話を聞けば聞くほど、自己理解や仕事理解の不足が気になった。まずはそこからやっていかないと、きちんと就職活動を進めることも、内定を得ることもおぼつかないと伝え、これらの課題解決のため、いくつかこれからやるべきことについて提案を行った。

【所感】
就職セミナーの話の通り、昨今の就活では、仕事についての具体的に希望や志向を持たないと内定にはつながらないことを伝えた。そこで、適性検査などで自分の適性や職業志向の傾向を見ること、併せて企業研究をしていくことで、希望する仕事の方向性を明確化していくことを提案したが、その後来談はない。支援の方法に問題があったのではないかと思い、指導を受けたい。