第33回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

2025.2.12

第33回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験解答例
【問1】
相談者はこれからのことを考えると、転職しようかと迷っている。SEになりたくて今の会社を選んだが、営業部門に配属され、とてもショックだった。このままだと専門性も身につかないし、焦ってしまう。2年目になり、やっぱり早くSEをやりたいという思いが強くなっている。先日上司や先輩と話をして、益々待てないと思ってしまい、営業を3年やるのは遠回りなので、SEになるには転職するしかないと思った。しかし、転職エージェントから来る求人は希望に合致するとは言えず、給与も今より下がりそうで、どうしたらいいのかと思っていることが問題。
【問2】
①SEになりたい強い気持ちはあるものの、なぜSEになりたいのか、SEになって何がしたい、どうなりたい等が漠然としていることから、自己理解不足や仕事理解の不足を感じる。②上司や先輩との話から「待てない」と思ってしまったり、転職エージェントから「営業の求人ばかり」が来たりということから、思い込みや情報不足により希望するSEになるための道筋を十分に検討できていない可能性がある。③「営業を3年やるのは遠回り」等早くSEになりたいという焦りもあり近視眼的になっていて、中長期的なキャリアプランに思いが至っていない様子がある。
【問3】
①(目標)
1.自己理解と仕事理解を深めることで、相談者がどのようなSEになりたいのかが明確になる。
2.社内外から情報収集を行うことで、相談者がなりたいSEになるための道筋が明確になる。
3.中長期的なキャリアプランを明確にすることで、相談者がこれから何をどうすればいいのかを主体的に意思決定できるようになること。
②(方策)
1.相談者の焦りや迷いを受け止め信頼関係を深める。
2.相談者のSEになりたい気持ちを傾聴し、なぜSEになりたいのか、SEになって何がしたいか、どうなりたいか等の明確化を促す。また、ジョブ・カードを用いて経験や能力等を整理し、SEになるうえでの自身のリソースを確認するなどして自己理解を深める。一方、Job tag等の情報源を活用してSEの仕事(仕事内容、求められる経験や能力、身につく専門性、収入等の労働条件など)の理解を深める。そして、これらから相談者の「なりたいSE像」を明確にする。
3.相談者の「なりたいSE像」を踏まえ、再度上司や先輩、または人事等と話をし、社内のキャリアパスや異動の可能性の再確認を行う。また、転職エージェント等社外からも幅広に情報収集を行い、相談者がなりたいSEになるための道筋を探索する。
4.これらを踏まえたうえで、相談者がSEになるまで、そしてSEになった後のことまで視野に入れた中長期的なキャリアプランを明確にすることで、相談者がこれから何をどうしていけばいいのか主体的に意思決定できるように支援する。