第29回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例 (協議会)

2025.8.13

第29回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
キャリアコンサルティング協議会
設問1
相談者は、一日の充実感がなく、少し働いた方がいいのかなと思っている。仕事はしっかりやりたいし、両親との時間も大切にしたいが、働き方のイメージが持てず、就職活動にも不安があり、どうしたらいいのかよくわからない。

設問2
相談者の「やっぱり少し働いた方がいいのかな」という気持ちを受け止めるとともに、両親ことをみながら働くことについて相談者がどのように考えているかを探ることで、不安や葛藤の言語化を促し、問題を明確にする意図があると考える。

設問3
①問題
相談者は自分が何を求めているか不明確なまま漠然と働くことを考えており、仕事と介護の両立についても現実的な検討ができていないため、選択肢や実現方法を描けず、どうしたらよいかわからなくなっていることが問題。
②根拠
1.現在の充実感のなさの解消策として仕事しか考えられず、そのイメージも漠然としていて、自分が何を求めているのか具体的でないことから自己理解の不足を感じる。
2.過去の経験もあり仕事と介護の並行に「中途半端」等ネガティブな印象を持っていて、自身の状況に即した働き方を柔軟に考えられず、その実現方法も不明確なことから、仕事理解と情報の不足を感じる。

設問4
1.相談者の「どうしたらいいのか…」という気持ちに寄り添い、信頼関係を築く。
2.「やっぱり少し働いた方がいいのかな」という思いを傾聴し、充実感など求めるものの明確化を促す。
3.求めるものを得る方法として、仕事と仕事以外の活動(例:学び直し、地域活動等)双方を検討し、選択肢を広げる。
4.仕事に関しては、「中途半端」等の否定的印象を受け止めつつ、介護との両立事例や制度、短時間勤務等の働き方に関する情報を提供し、理解と検討を深める。仕事以外の活動については、希望に沿った内容を中心に情報収集を促し、理解を深め、検討の幅を広げるよう支援する。
5.相談者が主体的に最も望ましい選択肢を判断し、その実現方法(仕事の場合は就職活動方法等)を理解して迷いや不安を軽減し、望む方向に進めるよう支援する。