第29回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

2025.8.16

※今回より問題変更になっています。詳しくは過去問題をごらんください。

第29回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
JCDA
問い1
【後半A】では、CLの不安や自信の低下などの気持ちを受け止めることも、それらの背景を深く掘り下げることもせず、
「向いていないのでは」(CCt4)などと評価的なかかわりをしている。CLは自らの経験や気持ちを十分に語れないままで、CCtの助言と説得を中心に面談が進められている。
結果、CLの内省も自己探索も深まらないまま、CCt主導で問題解決を急いだ展開となっている。一方、【後半B】では、CLが周りの人からの評価が気になった経験の再現を促している(CCt4)。
そこからさらに気持ちに焦点を当てて問いを重ねることで(CCt5、CCt6)、CLの自問自答が進み、自身の経験に基づく価値観や行動パターンを言語化し、
「嫌われることを恐れている」と同時にそれも「原動力のような気もする」という気持ち(CL8)に気づく展開となっている。

問い2
① 問題
CLは、経験や知識不足から判断や行動に自信を持てず、役割理解も不十分である。
また、他者への気遣いの強さや問題を一人で抱え込む傾向が意思決定や行動を制約し、
リーダーとしての役割を十分に果たせず不安を抱えていることが問題。

② その根拠
1.「私は未経験…」(B:CL6)等から、経験や専門知識の不足により判断や行動に自信が持てていない様子がみられる。
2.「板挟み」となり結論を先送り (B:CL5,6)する等から、役割理解が不十分と考えられる。
3.「遠慮」、「ためらい」(CL3)等から気遣いの強さが意思決定や行動の制約となっている様子が見られる。
4.「自分でやり遂げる…」(A:CL6)から、問題を抱え込む傾向もうかがえる。

問い3
1.CLの自信を持てず不安な気持ちを受け止めラポールを築く。
2.CL8(B)をさらに傾聴し、CLにとっての「気遣い」の意味とその影響を明確化する。そのうえで、気遣いが有効に働く場面と制約となる場面を整理し、バランスの取れた関わり方を検討する。
3.自信のなさについては、これまでの職務や成果を丁寧に振り返り、活かせる強みやスキルを整理することで自己効力感を高める。
4.役割理解不足については、リーダーに期待される役割や責務を確認し、納得できる役割認識を形成できるよう支援する。
5.抱え込む傾向については、上司・メンバー・他部門等との相談や協働の方法を具体化し、実践を通して慣れていく。
6.これらによりCLがリーダーとして自信をもって職務を遂行していけるように支援する。