【受験者必見】キャリアコンサルティング技能士2級 第34回 実技試験(論述・面接)の傾向と改善ポイント

2025.9.3

【受験生へのメッセージ】第34回 実技試験の傾向から学ぶポイント

キャリアコンサルティング技能検定2級の第34回(2025年度前期)実技試験について、採点官や面接試験官から寄せられた意見をまとめます。
これから受験を控える方にとって、学習の方向性や日々の実践を見直すヒントになれば幸いです。


📝 論述試験の傾向

✅ 良かった点

  • 多くの受検者が、相談者が相談したい問題の要点を的確に捉え、簡潔かつ網羅的に記述できていた。
  • 相談者の課題を具体的に記述できている答案も増えてきた。

⚠️ 課題として残った点

  • 「自己理解不足」「仕事理解不足」といった抽象的な表現が依然として目立ち、具体性が不足。
  • 相談者の状況を書くだけで「何を相談したいのか」に踏み込めていない答案もあった。
  • 目標設定と方策が相談者の課題と結びついておらず、一般的・表面的な提案に終わってしまうケースが多い。
  • 「強みを知る」などの目標を立てても、その根拠や効果が曖昧。
  • 「4L」や「4S」といった抽象的なフレームにとどまり、具体的支援に落とし込めていない答案も見られた。

📌 特に指摘された点

  • 今回の事例(60歳定年後の嘱託社員)において、高年齢社員支援の特有の課題への理解不足が目立った。
  • 相談者の背景や人生の節目にある悩みに着目しきれず、浅い理解にとどまるケースがあった。

🎤 面接試験の傾向

✅ 評価された点

  • 多くの受検者が、相談者に温かく誠実な態度で臨み、安心感や信頼感を築けていた。
  • 関係構築の重要性を理解し、受容的な姿勢で関わろうとする姿勢は高く評価された。

⚠️ 課題として残った点

  • 相談者の「今ここ」の理解が浅く、受検者の思いが先行してしまう場面が見られた。
  • 緊張から不自然な態度や身振りになる受検者も多く、落ち着いた対応が求められる。
  • 傾聴技法の理解不足により、「オウム返し」や形式的な共感にとどまるケースが散見された。
  • 効率的な情報収集に偏り、「質問攻め」になってしまう受検者もいた。
  • 相談者が笑顔を見せただけで「関係良好」と早計に判断してしまうなど、関係構築を表層的に理解しているケースもあった。
  • 面談終盤に、事前に用意していた方策を一方的にまくし立てるように提示してしまうケースが見られ、相談者との対話を軽視する印象を与えていた。

📌 総評として

今回特に強調されたのは、「熟練レベル」には非言語的サインを捉える洞察力や、問題の本質を見極める力、相談者の主体的な気づきと成長を促す深い関わりが不可欠という点です。
単なるスキルの形式的な適用ではなく、実務経験と人間力を生かした関わりが求められることが示されました。

🌟 受験生へのメッセージ

第34回では、基本的な姿勢や意欲は高く評価されつつも、「表面的な応答から脱却し、相談者の本質的な課題に深く向き合う力」がより強く求められました。

これから受験を目指す皆さんは、次の3点を意識して準備を進めてください。

  • 抽象的な枠組みに頼らず、相談者の背景や状況に即した具体的理解を深めること
  • 形式的な傾聴ではなく、心からの共感を伴った関わりを意識すること
  • 面談全体を通じて、相談者自身の気づきと成長を支援する姿勢を持つこと

この視点を大切に学習を進めていただければ、試験対策はもちろん、日常のキャリア支援にも必ず役立ちます。