キャリアコンサルタントの基本的な傾聴技法|ロジャーズのPCAに学ぶ3つの姿勢

2025.9.16




キャリアコンサルタントの基本的な傾聴技法|ロジャーズのPCAに学ぶ3つの姿勢

キャリアコンサルタントにとって「傾聴」は最も基本でありながら、最も奥深いスキルです。
本記事では、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱したPCA(パーソンセンタードアプローチ)の3原則をもとに、キャリアコンサルティングに必要な傾聴技法を整理します。

 

 
 

01.はじめに|キャリア相談における「聴く力」

キャリア相談の現場では、相談者が自分自身の答えを見つけることが多くあります。
その答えを引き出すためには、コンサルタントの「聴く力」が欠かせません。
単なる聞き役ではなく、安心して話せる空間をつくる姿勢が重要です。

 

02.ロジャーズのPCAとは?

PCA(Person-Centered Approach:パーソンセンタードアプローチ)は、カール・ロジャーズが提唱した来談者中心療法の基本姿勢です。
キャリアコンサルタントがこの3原則を実践することで、相談者が安心して自己を語れる環境が生まれます。

 

03.共感的理解|相手の立場に立つ姿勢

「共感的理解」とは、相手の立場に立ち、その感情や考えを深く理解しようと努めることです。
同情ではなく「理解」することが重要であり、言葉や態度でその理解を伝えることで相談者は安心します。
例:「その状況はとても不安に感じられますよね」といったフィードバックが効果的です。

 

04.無条件の肯定的関心|ありのままを受け入れる

「無条件の肯定的関心」とは、相談者を評価や批判なしに受け入れる姿勢です。
相談者がどのような価値観や選択を持っていても否定せず、尊重する態度が信頼を深めます。
「あなたの考えを大切に思います」といった言葉は、自己肯定感を高め、主体的なキャリア選択を後押しします。

 

05.自己一致|誠実さと信頼関係の基盤

「自己一致」とは、聴き手であるキャリアコンサルタントが誠実で、ありのままの自分でいることを意味します。
形式的に「傾聴しているふり」をするのではなく、自然体で正直に接することで信頼関係が構築されます。
相談者にとって「本当に寄り添ってくれている」と感じられることが大切です。

 

06.まとめ|PCAを実践するキャリアコンサルタントへ

ロジャーズのPCAは、キャリアコンサルタントの傾聴技法の基盤であり、日々の実践で磨かれるものです。
共感的理解・無条件の肯定的関心・自己一致を意識することで、相談者が安心して本音を語れる場が生まれます。
テクニックにとどまらず、相談者を尊重する「あり方」を大切にしながら、キャリア支援のプロフェッショナルを目指しましょう。