相談者が傷つきやすい言葉と、ラポールを守る伝え返しの工夫

2025.9.22




相談者が傷つきやすい言葉と、ラポールを守る伝え返しの工夫

キャリアコンサルティングで使う「伝え返し」。
相談者の言葉をそのまま返すことは大切ですが、言葉によってはかえって傷を深めてしまうリスクもあります。
本記事では、相談者が敏感になりやすい言葉と、その代わりに使える代替表現を整理しました。
ラポール(信頼関係)を維持するための参考にしてみてください。

伝え返しで注意が必要な理由

相談者の発言をそのまま返すことは、理解の確認や安心感につながります。
しかし、「リストラ」「解雇」「失敗」などネガティブな言葉を繰り返すと、相談者が改めて突きつけられたように感じて傷ついたり、ラポールが途切れたりするリスクがあります。
そのため、表現をやわらげる工夫が必要です。

相談者が傷つきやすい言葉と代替表現一覧

相談者の発言 ✕ 傷つけやすい伝え返し ◯ 適切な代替表現
会社でリストラになりまして… リストラされたんですね。 会社を離れることになったのですね。
突然の出来事で、大きなご負担だったのですね。
解雇されてしまいました。 解雇されたんですね。 お仕事を続けられなくなったのですね。
思いがけず仕事を離れることになったのですね。
試験に落ちてしまって… 落ちたんですね。 ご希望の結果につながらなかったのですね。
とても残念なお気持ちだと思います。
失敗してしまいました。 失敗したんですね。 思うようにいかなかったのですね。
ご自身にとって納得のいかない結果だったのですね。
離婚したんです。 離婚したんですね。 ご家庭の形が変わったのですね。
とても大きな出来事を経験されたのですね。
病気で仕事をやめました。 病気でやめたんですね。 体調のこともあって、お仕事を続けるのが難しかったのですね。
健康面でご苦労があったのですね。

ラポールを守るためのポイント

  • 直接的なラベル語を避ける:「リストラ」「失敗」「離婚」などの繰り返しは要注意
  • やわらかい表現に言い換える:「仕事を離れる」「思うようにいかなかった」など
  • 気持ちに焦点を当てる:「ご負担だった」「残念なお気持ち」など感情をくむ

まとめ

伝え返しは、相談者との信頼関係を深める重要な技法です。
ただし、相談者にとってネガティブに響く言葉をそのまま繰り返すと、ラポールを損なうリスクがあります。
「事実」+「感情」の両面に寄り添いながら、やわらかな言葉で返していくことが大切です。

キャリアコンサルティングのスキルを磨く際は、ぜひこの一覧を参考にしてみてください。