時短勤務とキャリアの両立に悩むケース|仕事と子育てをどう整理するか【ロールプレイ解説】

2026.2.7

時短勤務とキャリアの両立に悩むケース|仕事と子育てをどう整理するか【ロールプレイ解説】

   


01.はじめに|「どちらも大切」にしたい人ほど悩みは深くなる

   

仕事と子育ての両立に悩む相談は、キャリアコンサルティングの現場で非常によく見られます。
特に、出産・育休を経て時短勤務で復職した方からは、

・責任ある仕事を任せてもらえない
・やりがいを感じられなくなった
・家庭との両立に不安があり、次の一歩を踏み出せない

といった声が多く聞かれます。

今回紹介するロールプレイは、そうした「よくあるけれど簡単には答えが出ない」ケースをもとに構成した事例です。
ロールプレイや面接練習の題材としても、実務の整理としても、学びが多いテーマです。

   


02.ケース概要|仕事と子育ての間で揺れる38歳女性

   

相談者は38歳の女性。夫(40歳)、長男(7歳)、次男(4歳)の4人家族です。
四年制大学(社会学部)卒業後、大手流通業に総合職として入社しました。

・長男出産時に1年間の育休を取得し復職
・次男出産後も同様に育休を取得
・現在は時短勤務で店舗運営部に所属

仕事の経験は積み重ねてきたものの、時短勤務という理由から責任ある業務を任せてもらえず、仕事へのやりがいを感じられなくなっています。

一方で、保育園の送迎や子どもの急な発熱時の対応は、ほぼ相談者が担っている状況です。
夫は仕事が忙しく、十分な協力が得られていません。

「フルタイムに戻りたい気持ちはある。でも、家庭との両立ができるのか不安」
「このままキャリアが停滞してしまうのではないか」

そんな焦りを抱えながら、相談に訪れました。

   


03.このケースの難しさ|「二択」にしやすい構造をどう扱うか

   

このケースの難しさは、仕事か、子育てかという二択に整理しやすいところにあります。

しかし実際には、

・フルタイムに戻る=正解
・時短勤務を続ける=妥協

と単純に判断できるものではありません。

相談者自身も、
「本当はどうしたいのか」
「何を一番大切にしたいのか」
が、まだ言葉になっていない状態です。

キャリアコンサルタントは、答えを提示する役割ではなく、相談者が自分の考えを整理し、選択できるよう支援します。
この前提があるだけで、関わり方が大きく変わります。

   


04.ポイント① 「時短勤務=問題」の前提を外す

   

ロールプレイでは、時短勤務そのものを「問題」として扱わないことを意識します。

重要なのは、

・時短勤務であること(状況)
・その中で、相談者が何を感じているのか(意味づけ)

を切り分けて整理することです。

やりがいを感じられない背景には、勤務時間の問題だけでなく、

・期待されていないと感じている
・評価が見えにくくなっている
・役割の手応えが薄くなっている

といった感情が隠れている場合も少なくありません。

「何がつらいのか」を丁寧に言葉にしていくことが、ここでのポイントです。

   


05.ポイント② 「両立できるか」より「どう在りたいか」を扱う

   

相談者は「フルタイムに戻れるか」「家庭と両立できるか」という不安を口にします。
ただ、ここで急いで「できる・できない」を判断すると、相談が二択に戻りやすくなります。

ロールプレイでは、次のような問いの立て方が有効です。

・仕事において、どんな役割を担いたいのか
・どんな状態なら「やりがい」を感じられそうか
・家庭では、どんな関わり方を大切にしたいのか

こうした価値観の整理が進むと、
「今すぐ決める」ではなく「段階的に選ぶ」という発想が生まれます。

迷いが深いときほど、結論より先に「軸」を整えることが大切です。

   


06.ポイント③ 焦りや不安を、そのまま言葉にしていく

   

「このままキャリアが止まってしまうのではないか」
この不安は、多くの相談者が抱える感情です。

ロールプレイでは、不安を否定したり、励ましで打ち消したりせず、

・なぜ焦りを感じているのか
・何を失うことが一番怖いのか
・今いちばん守りたいものは何か

を丁寧に言語化していきます。

ポイント(関わりのイメージ)

焦りや不安は「なくす」ものではなく、
整理して、選択の材料にするものです。
ここが整理されると、相談者は自分のペースで現実的な一歩を考えられるようになります。

   

相談者の感情が落ち着くと、情報整理や選択肢検討の対話に入りやすくなります。

   


07.本事例について|オリジナル事例の位置づけと配慮

   

本記事および動画で紹介しているロールプレイ事例は、
実際の相談現場や養成講習で多く見られるケースをもとに、弊社が独自に構成したオリジナル事例です。

特定の個人や企業をモデルにしたものではなく、学習・実践目的で再構成しています。
守秘義務や倫理的配慮の観点からも、安心して練習に活用できるよう設計しています。

   

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09.まとめ|整理が進むと、選択肢は増えていく

   

時短勤務と子育ての両立に悩むケースは、単なる「働き方の問題」ではなく、
価値観・役割・期待・不安が重なって起きやすいテーマです。

このロールプレイのポイントは、

・「時短勤務=問題」という前提を外す
・「両立できるか」ではなく「どう在りたいか」を扱う
・焦りや不安を言語化し、選択の材料にしていく

という整理にあります。

整理が進むと、二択ではなく「段階的な選択肢」が見えてきます。
本記事が、ロールプレイ練習や、相談場面の理解に役立てば幸いです。