第16回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

2021.3.21

第16回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
JCDA
問い1
事例Ⅰではclの「何か取り残された感じ」「メンバーのケアができていない」という思いに焦点をあてることなく事柄に関しての質問が多く見受けられ、更に「~それに慣れていく必要がありますよね」と断定的、かつ説得するような助言がありclの内省の深まりを見せない展開となっている。一方事例Ⅱでは「どんなことがあったのか」とオープンクエスチョンによりclの経験の再現を促す質問があり「ああはなりたくない」とclの内省の深まりを見せ、最後の方には「何が起こっているんでしょうね」とものの見方を変化させる問いかけがあり自己探索が進む兆しが見えている。

問い2
相応しくない
在宅勤務になり不安を抱えているclに寄り添うことなく、cctの主観や価値観を押し付けるような応答となり、その後のclの発言からも心配している様子があることから関係構築が進んでいない。
相応しい
Clの気持ちの整理を行うため、オープンクエスチョンで内省を促す様子がある。また、cl12では「矛盾」と明確に発言していることからこれから自己探索が深まるきっかけが見えている。

問い3
Clは在宅勤務の前はみんなに声をかけてすぐ解決できていたが今はメンバーとのコミュニケーション不足に焦り自己効力感が低下している。またclが大切にしている価値観(キャリアアンカー)について「ああはなりたくない」などがある一方で不明確さもあるため自己理解不足が感じられる。最後に「リーダーシップとは何か」という思いがありリーダー(管理職)としての役割やオンラインの知識に関する理解不足が見受けられ仕事理解不足がある。

問い4
1、clの「メンバーのケアができていない」という気持ちに寄り添い、ラポールを形成しながらこれまで管理職をやってこられたことをコンプリメントする。2、自己効力感を取り戻せるように在宅勤務前に対面でうまくいっていたメンバーとのコミュニケーションについて思い出して話してもらう3、「何か矛盾しますね」について何が大事なのか自己理解を深めるために「矛盾とは何か」について自己探索を促すようサポートする。4、リーダーシップとオンラインについて信頼関係、チームワーク強化のために他の上司等、何か工夫や努力をしていることが知れるよう提案してみる。その上で具体的なビジョンと目標設定が行えるよう働きかける。(pm理論)