第18回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

2021.12.24

第18回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
JCDA

問い1
事例ⅠではCLの気持ちに寄り添うことなく、CCtの主観と先入観に基づいて面談を進めており、一方的な助言を行っている。
CLは受け入れられない様子があるが、そこに理解を示さず進めているなど、全体的にCLに対する共感に乏しい。
またCLへの問いかけも事実確認が主でCLの内省が深まるような展開となっていない。一方事例ⅡではCL7を受け「何があったのですか」と問いかけることで経験の再現を促している。
そしてCLの応答をさらに深める問いかけを重ねることでCL固有のものの見方を知ろうとする姿勢が見られる。
全体的にCLの気持ちに焦点を当て共感的に関わっていることでCLの自問自答を促し、内省と気づきがあり自己洞察が深まっている。

問い2
相応しくない
CL7の発言に対しNPOの仕事は「新しいことへの大きな挑戦」で「そんな時は不安に~」とCCtの感情の決めつけがありCLの気持ちの受止めや内省を深めるような関りができていないから。
相応しい
CL8~CL9の発言を受止めCCt10の発言からCLの気持ちを言いかえ、伝え返すことで自身が何を求めていたか明確になり、そこから更に内省を促すことができているから。

問い3(事例Ⅱより)
1、CL11のようにCCtの言葉で求めていることに気づくなど働く上で何を大切にしているか自覚的でないと考えられること。また上司、友人、事務長など他者の言動に都度左右されて主体的ではないと考えられること等、自身が今後何を目的とし、どうしていきたいか明確になっていないことから自己理解不足を感じる。
2、CL3のように元上司の言動で再雇用を否定的に評価していること、CL9のNPO事務長へのアピールの方法(求められる人物像の理解不足)、この仕事は自身でみつけてきたものではないこと等から仕事理解不足も見受けられる。

問い4
1「どんな働き方をすればよいか」CLの気持ちに寄り添いラポールを築くと共に定年まで長い間頑張ってきたことをコンプリメントする。
2、自己理解を深めるためにこれまでの経験、スキルなどを書きだし、自分が何にやりがいやモチベーションを感じるか、価値観、能力、興味等を整理するサポートを行う
3、仕事理解を深めるために現在の労働市場についてと、再雇用やNPOの仕事をはじめ他の仕事(職業以外も含む)の情報収集を促し知れるよう一緒に取り組む。
4、全体を通して前向きなCLの様子を支持しながら今後何を目的にどのように働いていくのか明確にし、今後の働き方について主体的に意思決定できるよう支援する。