第30回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例 (協議会)

2025.11.24

第30回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
キャリアコンサルティング協議会
設問1
相談者はインターンシップに参加したが、結局自分が何をしたいのか分からなくなった。自分にできることも思いつかず、友人と話すとこのままではいけないと不安になってきた。心からやりたい仕事をどうやったら見つけられるかが分からないこと。

設問2
社会福祉分野に対する「素敵だな」、「向いていない」という双方の気持ちと、その変化を受け止めたうえで、相談者の気持ちの揺れや迷いについて内省と言語化を促すことで、相談者が抱える問題を明確化する意図があると考える。

設問3
①問題
相談者は興味・能力・価値観等が十分整理されておらず、社会福祉分野と他業界の比較検討も進んでいない。その中で友人との比較から不安が先行し、進路を冷静に考え、主体的に選択することが難しくなっていることが問題。

②根拠
1.社会福祉を「素敵だな」、「向いていない」と感じた理由が明確でないこと等から、興味・能力・価値観等自己理解の不足が見られる。
2.「社会福祉の仕事」「他の仕事」と大まかな捉え方に留まっており、具体的な職務内容等の仕事理解・情報の不足を感じる。
3.「友人達と話を…」等の発言から、友人との比較から不安が先行している様子がある。

設問4
1.相談者の不安や焦りを丁寧に受け止め、友人との比較ではなく自分のペースで考えてよいと感じ、安心して話せる関係づくりを行う。
2.祖母との経験や社会福祉を「素敵だな」と思った気持ち、大学で「向いていない」と感じた背景を丁寧に傾聴する。また、インターンシップで得た気づきや社会福祉以外に触れた際に心が動いた場面を振り返ることで興味・能力・価値観等自己理解を深める。
3.社会福祉分野と他業界の双方についてjob tag等を活用しながら情報収集を促し、職務内容・働き方・求められる能力や条件等を整理して仕事理解を深める。
4.これらを通じて、相談者が選択肢を広げながら自身が納得できる進路を考え、主体的に選択できるよう支援する。