第26回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

2024.8.25

第26回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
JCDA

問い1
事例Ⅰはcl6の「自分が情けなくなった」気持ちを受止めないままcctのものの見方で一方的に助言を行っている。(cct6、cct7)
さらに「親会社の言いなり~」(cct8)とclの気持ちを決めつけ、転職に向いた提案を行っている。(cct8、cct9)
そのためclから共感的理解を求める応答(cl9)や提案に難色を示す態度(cl10)が見られ信頼関係に課題を感じる展開となっている。
事例Ⅱはcl6を受止め、その背景について問いかけ(cct6)さらに「スタッフとの関係」に関する経験の再現を促す(cct7、cct8)ことでclの内省を促し、
ものの見方を明確にしようとしている。そのうえで自身を客観視する問を投げかける(cct9)ことで、「矛盾していますね」と自問自答により、自己探索が進む展開となっている。

問い2
相応しくない
Clが「自分が言いなりになろうとしているのが嫌」と言い、その気持ちに理解を求めている(cl9)にも関わらず、
それを受止めず一方的に提案を続けていることからclも納得できない様子を見せている(cl10)ため。

相応しい
Cl9で語られた新人時代の経験とその意味について理解し、受止めたうえで、そのような自分を客観視させる問いかけであり、
それにより自己探索が進み「矛盾している自分」(cl10)への気づきにつながっているため。

問い3
1、「スタッフの意見を尊重しないと」(cl8)等の発言から過去の経験にとらわれてスタッフと向き合うことができていない様子。
2、「今後は親会社に対しても」(ccl7)等の発言や親会社の視察時の対応(cl5)から親会社から求められていることについて十分理解できていない可能性がある。
3、「今後自分がどう立ち回ればいいか」(cl2)等の発言から1と2の問題も相まって、環境に対して受け身になっていて、自身が店長として何がしたいか、
どのようにありたいのか主体的に考えられなくなっていると考えられる。

問い4
1、このまま仕事を続けていけるだろうかとの不安な気持ちに寄り添いラポールを築く。
2、cl10を更に傾聴し内省を促すことで、過去の経験にとらわれていたことに気づきを促すとともに、本当はスタッフとどのような関係を築きたいのか明確化、再確認を図る。
3、就職時の思いやこれまでの仕事のやりがい等の振り返りを通してcl自身の店長としてのありたい姿を描いてもらう。
4、(clの同意が得られれば)親会社との意思疎通をはかり先方の期待を知るとともにclの望む方向性とどのように調整していくか検討する。
5、これらによりclが不安を払拭し、主体的に仕事に取り組んでいけるように支援する。