第28回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例 (協議会)

2025.4.26

第28回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
キャリアコンサルティング協議会

設問1
相談者は3年生になると就職活動を始めなければと思うが、特別にこれがやりたいというものがない。就職は自分で決めたいが、どうしたらよいかわからない。長く働いて頑張りたいが、その気持ちがプレッシャーにもなっている。

設問2
相談者に過去の経験、興味や関心の振り返りを促すことで、「やりたいものはない」、「どうしたらいいかわからない」と感じている背景や、就職に対する思いを言語化、明確化しようとする意図があると考える。

設問3
①問題
相談者は「自分で決めて」「長く働いて頑張りたい」が、決めるための軸や長く働いて頑張るイメージ、そしてどのような選択肢があるのかも十分理解できていないため、どうしたらいいかわからず動けない状態にあることが問題。
②その根拠
1.「やりたいことは…」「才能が…」「興味がある事も…」等の発言から、自己理解の不足と会社や仕事選びの軸が不明確であることがうかがえる。
2.ダンス、カフェ、事務と限られた仕事しか考えられておらず、理解も表面的で仕事理解の不足が見られる。
3.「長く働いて…」と思う一方「将来の夢などもない」等の発言もあり、キャリアビジョンが不明確と感じる。

設問4
1.どうしたらいいかわからなくて困っている相談者の気持ちに寄り添い信頼関係を深める。
2.ダンスをずっと頑張ってこられた理由、カフェのアルバイトが楽しく「このまま働くのもありか」と思えた理由など、相談者の気持ちを掘り下げ、相談者が長く続けて頑張るには何が必要かを明確にすることで、会社や仕事選びの軸の具体化を図る。
3.一方、相談者の希望に適う会社や仕事がどのようなものかをインターネットやキャリアセンターを活用して情報収集を促す。
4.また、必要に応じてインターンシップ等啓発的経験を通して、働く姿や仕事に対するイメージを具体化させる。
5.これらをもとに相談者が今後のキャリアビジョンを明確化したうえで、今後の進路を自分で決めて、その実現に向けて主体的に動いていけるよう支援する。