1.　はじめに

2.　第30回試験の全体結果（学科・実技・両方受験）

3.　受験資格別の結果（養成講習修了者・実務経験者）

4.　年代別の結果（どの層が多いか・傾向）

5.　平均点から見る難易度と、次回に向けた対策

01.はじめに

 
 
第30回 国家資格キャリアコンサルタント試験の結果が公表されました。
本記事では、学科・実技それぞれの合格率、学科と実技を両方受験した場合の合格率、年代別の傾向、平均点などを整理し、次回受験に向けたポイントをまとめます。
数値は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会の公表データに基づきます。

02.第30回試験の全体結果（学科・実技・両方受験）

 
 
まずは、学科試験・実技試験それぞれの合格率を確認します。

■ 学科試験
申込者数：4,212人／受験者数：3,916人／合格者数：3,038人／合格率：77.6％

■ 実技試験
申込者数：4,309人／受験者数：4,095人／合格者数：2,580人／合格率：63.0％

さらに、学科・実技の両方を受験した方の結果は以下の通りです。

■ 学科・実技 両方受験
受験者数：3,190人／合格者数：1,808人／合格率：56.7％

学科単体の合格率は高めに見えますが、最終的に「学科＋実技」を通過する必要があるため、両方受験の合格率（56.7％）が、実感としての難易度に近い数字と言えます。

03.受験資格別の結果（養成講習修了者・実務経験者）

 
 
次に、受験資格別（受験ルート別）の結果です。ここは受験者数のボリュームも含め、全体像を把握するのに役立ちます。

【学科】
①養成講習修了者：受験者数 3,365人／合格者数 2,645人
②実務経験者：受験者数 548人／合格者数 391人
③技能検定の片方合格者：受験者数 3人／合格者数 2人

【実技】
①養成講習修了者：受験者数 3,550人／合格者数 2,269人
②実務経験者：受験者数 522人／合格者数 295人
③技能検定の片方合格者：受験者数 23人／合格者数 16人

受験者数の中心は養成講習修了者であり、全体結果の傾向は「養成講習ルートの受験者層」が大きく反映されている点が特徴です。
一方で、実務経験者ルートも一定数が受験・合格しており、ルートに関わらず「実技対策の質」が合否に影響しやすいことが読み取れます。

04.年代別の結果（どの層が多いか・傾向）

 
 
年代別の結果は、「受験者の中心層」や「どの年代が受験しているか」を把握するのに有効です。

【学科：受験者数／合格者数】
30歳未満：392人／298人
30～39歳：904人／741人
40～49歳：1,023人／806人
50～59歳：1,212人／916人
60～69歳：371人／268人
70歳以上：14人／9人

【実技：受験者数／合格者数】
30歳未満：428人／261人
30～39歳：953人／657人
40～49歳：1,062人／704人
50～59歳：1,241人／738人
60～69歳：397人／215人
70歳以上：14人／5人

平均年齢は45.5歳（標準偏差：11.2）です。
受験者のボリュームゾーンは40代〜50代で、学科・実技ともにこの層が中心となっています。
また、30歳未満から70歳以上まで幅広い年代の合格者がいることから、キャリアコンサルタント資格は、年齢に関わらず挑戦しやすい資格であることも特徴です。

05.平均点から見る難易度と、次回に向けた対策

 
 
最後に平均点を確認します。平均点は「どの領域で点が動きやすいか」を考える材料になります。

学科（100点満点）：75.6点
実技（150点満点）：91.5点
　論述（50点満点）：31.9点
　面接（100点満点）：60.3点

実技は「論述＋面接」の複合評価であり、学科のように知識だけでなく、相談者理解・関係構築・展開の妥当性といった実践力が問われます。
そのため次回に向けては、
・学科は過去問と周辺知識の補強で安定して取りにいく
・実技は「型」だけでなく、相談者の語りの流れを捉える練習を増やす
・論述は解答例の暗記ではなく、設問意図に沿った構造で書く訓練をする
・面接は逐語で振り返り、関わり方（受け止め・要約・問い）を改善する
といった方向で準備を進めると、得点の再現性が上がります。

第30回の結果は、学科の合格率が比較的高い一方、最終的には実技が鍵になりやすいことを示しています。次回受験の方は、早い段階から実技の練習量を確保することが合格への近道です。