キャリアコンサルティングは、何からどう進めればいいのか?|養成講習受講中の方へ(ロールプレイ補足)

2026.1.2

キャリアコンサルティングは、何からどう進めればいいのか?|養成講習受講中の方へ(ロールプレイ補足)

   

01.はじめに

   

キャリアコンサルタント養成講習を受講している方の多くが、
ロールプレイに入った瞬間に、同じところで一度立ち止まります。

「何から聞けばいいのかわからない」
「共感しているつもりなのに、次にどう進めていいか迷う」
「整理を始めるタイミングがつかめない」

知識は学んでいるのに、実技になると急に難しく感じる。
これは、とても自然な反応です。

本記事では、弊社のキャリアコンサルタント養成講習(オンライン)を受講中の方向けに、
講習内では細かく語られにくい「ロールプレイの補足」を整理します。

うまくやるためのコツというより、
迷いを減らすための「考え方の順番」を持つことが目的です。

結論を急がなくても構いません。
ロールプレイの整理材料としてご覧ください。

   

02.養成講習で学んでいるのに、ロールプレイで迷う理由

   

養成講習では、面接の姿勢や基本的な関わり方(傾聴・共感・受容など)を学びます。
ここまでは理解できている方が多いです。

ただ、ロールプレイになると、次のことが同時に起こります。

・相談者の話を聴く(内容・感情・背景)
・自分の反応を選ぶ(言葉・間・質問)
・面接の流れを意識する(展開・整理・終結)

つまり、理解している要素が「同時処理」になるため、頭が追いつきにくいのです。

迷いが出るのは、能力不足ではありません。
多くの場合、全体を見渡すための「見取り図」がまだ手元にないだけです。

   

03.最初に持っておきたい前提|ロールプレイに「正解の台本」はありません

   

ロールプレイで一番苦しくなるのは、
「正しい進め方を再現しなければならない」と思ったときです。

結論から言うと、ロールプレイに「正解の台本」はありません。

・最初にこれを聞けば正しい
・この言葉を返せば合格に近い
・この流れに乗せられたら成功

こういった“一本道”は存在しません。

その代わりに必要なのは、
相談者の語りに合わせて「今は何をしている段階か」を見失わないことです。

うまく進めるよりも、関係を保ちながら、丁寧に向き合い続けること。
この姿勢が土台になります。

   

04.迷いを減らす「考え方の順番」|3つの視点

   

ロールプレイの全体を、複雑に捉えすぎないために。
まずは、次の3つだけを持っておくと迷いが減ります。

① 相談者は「何に困っていると感じているのか」
最初から課題を特定しようとしなくて構いません。
「本人が困っていると思っていること」「言葉になりきらない違和感」に耳を向けます。

② その背景に、どんな状況や思いがありそうか
すぐに整理や助言に入る必要はありません。
状況(仕事・生活・人間関係)と、そこでの思いを一緒に眺める段階です。

③ 今は「何をする段階」なのか
まだ聴く段階なのか。
少し整理を始めてもよさそうか。
それとも、無理に前に進めなくていい場面か。

この判断ができるだけで、
「何からどう進めればいいかわからない」という感覚はかなり減ります。

ロールプレイは、流れを“完璧に”作ることではなく、
今の段階を見失わないことが大切です。

   

05.ロールプレイでやりがちなNG|やらなくていいこと

   

受講中の方が、ロールプレイで苦しくなりやすいポイントを整理します。
次のことは、やらなくて大丈夫です。

・毎回、きれいにまとめようとしなくていい
・時間内にゴールまで行こうとしなくていい
・相談者を前向きに変えようとしなくていい
・質問を“良い質問”にしようとしすぎなくていい
・沈黙をすべて埋めようとしなくていい

ロールプレイの場は、相談者の人生を結論づける場所ではありません。
関係を保ちながら、相談者の語りを丁寧に扱う練習の場です。

「できた/できていない」ではなく、
「何を大切にしようとしたか」を振り返る方が、次につながります。

   

06.進め方が崩れたときの立て直し方|一度戻っていい

   

ロールプレイ中に、
「いま何をしているのかわからなくなった」
「質問したけれど、話が散らかった」
という場面はよく起こります。

そのときに大切なのは、焦って前に進めないことです。

立て直しの基本は、シンプルです。

① いったん、相談者の語りに戻る
「今お話を伺っていて、◯◯というお気持ちもあるのかなと思いました」など、
相手の語りを丁寧に受け止め直します。

② いまの段階を確認する
「少し整理してもよろしいでしょうか」
「ここまでのお話を一度まとめてもいいですか」
と、段階を共有します。

③ “次に何をするか”を小さく決める
いきなり最終目標を決めなくて大丈夫です。
「もう少し状況を伺う」「気持ちを確認する」など、小さく次の一歩を取ります。

崩れたと感じたときほど、
一度戻って整える方が、結果的に面接は安定します。

   

07.おわりに|迷いは成長の入口です

   

「キャリアコンサルティングは、何からどう進めればいいのか?」という不安は、
養成講習を真剣に受講しているからこそ生まれるものです。

ロールプレイは、流れを完璧に再現する練習ではありません。
相談者の語りに向き合いながら、自分の判断の軸を育てる時間です。

迷いながら関わっている今の状態は、決して間違いではありません。
この整理が、ロールプレイに向き合う際の補助線になれば幸いです。