キャリアコンサルタントの試験対策は、なぜ途中で分からなくなりやすいのか|養成講習受講中の方へ

2026.1.2

キャリアコンサルタントの試験対策は、なぜ途中で分からなくなりやすいのか|養成講習受講中の方へ

   

01.はじめに

   

キャリアコンサルタント養成講習を受講している方の中には、
学びを進める中で、試験対策について考え始める方も多くいらっしゃいます。

ただし、あらかじめ整理しておきたい大切な前提があります。

キャリアコンサルタント養成講習と、試験対策は別のものです。

養成講習は、キャリアコンサルティングの考え方や姿勢、
相談者との関わりの土台を学ぶ場であり、
試験対策は、その後に試験制度に沿って整理・確認していく作業です。

本記事では、養成講習そのものを試験対策として扱うのではなく、
試験対策を考え始めたときに生じやすい「迷い」について、
視点の整理という形で補足していきます。

勉強方法を増やす記事ではありません。
試験対策に向き合う際の考え方を整理することを目的としています。

   

02.試験対策をしているのに不安が消えない理由

   

試験対策に取り組み始めると、
「何をどこまでやればいいのか分からなくなった」
「勉強しているのに不安だけが残る」
という声を多く耳にします。

このとき、多くの方は
「勉強量が足りないのではないか」
「まだ理解が浅いのではないか」
と考えがちです。

しかし実際には、
情報を増やせば増やすほど、不安が強くなる段階に入っていることが少なくありません。

・評価項目を意識しすぎる
・減点を避けることに意識が向く
・「正しい進め方」を探そうとする

この状態になると、
相談者とどう向き合うかよりも、
「今の自分の対応は評価されるのか」という視点が前に出てきます。

その結果、試験対策をしているはずなのに、
面接のイメージが持てなくなってしまうのです。

   

03.試験対策が難しく感じる本当の原因

   

試験対策が難しく感じられる理由は、
単に試験が難関だから、ということだけではありません。

多くの場合、
「試験対策=型を身につけること」という捉え方に偏ってしまうことが原因です。

キャリアコンサルタント試験の面接では、
決まった台本や一本道の展開は求められていません。

それにもかかわらず、
・この質問をすべきだったのではないか
・この言い回しが正解だったのではないか
と考え始めると、
試験対策は一気に苦しいものになります。

試験対策が迷いに変わるとき、
多くの場合「正解を再現しようとしている」状態に入っています。

   

04.「日本でキャリアを支援する」という視点が抜け落ちやすい理由

   

キャリアコンサルタント試験は、
日本の働き方やキャリア形成の文脈の中で行われます。

しかし試験対策に集中するほど、
この「日本でキャリアを支援する」という視点が後回しになりがちです。

・転職が前提ではない相談
・組織内で悩み続ける選択
・働き続ける中での迷い

試験で扱われる相談場面には、
こうした日本のキャリアの揺らぎが前提として含まれています。

この前提が抜けたまま試験対策をすると、
面接がどこか現実感のないものに感じられ、
「これでいいのか」という違和感が残りやすくなります。

   

05.養成講習が本来育てようとしている力とは

   

養成講習が重視しているのは、
試験に受かるための「対策」を学ぶことではありません。

・相談者の語りをどう受け取るか
・状況をどう理解しようとするか
・関係を保ちながら関われているか

こうした関わりの姿勢や判断の軸を育てることにあります。

そのため、試験対策に迷いが出てくる時期は、
養成講習で学んできたことと、
試験制度との関係を整理し直すタイミングでもあります。

   

06.試験対策に迷いが出たときの整理の仕方

   

試験対策が分からなくなってきたと感じたときは、
次の点だけを一度整理してみてください。

・今、自分は「正解探し」に寄りすぎていないか
・相談者の文脈より、自分の評価を気にしていないか
・日本のキャリアの現実をどう捉えているか

勉強量を増やす前に、
視点を一段引いて見直すだけで、
ロールプレイや面接の感覚が戻ってくることがあります。

試験対策は、
養成講習で積み重ねてきた理解を確認する作業です。
ゼロから何かを作り直す必要はありません。

   

07.おわりに|試験対策はキャリア理解の一部にすぎません

   

試験対策は、
キャリアコンサルタントとしての力をすべて表すものではありません。

また、「日本でキャリアを支援する」という視点は、
試験が終わってからこそ、より重要になっていきます。

試験対策に迷いが出ている状態は、
できていないサインではなく、
理解が一段深くなろうとしているサインでもあります。

今の違和感を否定せず、
養成講習で学んできたことを、静かに整理する時間として捉えてみてください。