55歳部長職のキャリア分岐|役職定年と母の認知症…老後と介護をどう整理するか【ロールプレイ解説】

2026.2.16

55歳部長職のキャリア分岐|役職定年と母の認知症…老後と介護をどう整理するか【ロールプレイ解説】

1.はじめに|人生後半に訪れる「静かな分岐」

55歳という年齢は、キャリアの総仕上げに向かう時期であると同時に、
「役職定年」「再雇用」「早期退職」など、制度上の分岐が現れるタイミングでもあります。

さらに親の介護が重なると、
仕事・家族・老後設計が同時に動き始めます。

本記事では、55歳女性の事例を通して、
キャリアコンサルタントがどのように整理を支援するのかを解説します。

2.ケース概要|55歳・金融機関部長職

伊東さん(55歳・女性)

  • 地元金融機関勤務38年目
  • 現在融資課の部長職
  • 娘を女手一つで育て上げる
  • 実母(80歳)と同居

母親が軽度の認知症と診断されました。

同時に会社から、役職定年後の処遇説明がありました。

  • 55歳で部長職解任 → 60歳まで正社員
  • 60歳〜65歳は嘱託再雇用
  • 55歳で早期退職なら退職金割増

母の介護を優先するか。
働き続けるか。
早期退職を選ぶか。

老後資金の不安もあります。

3.このケースの難しさ|介護と老後資金の同時進行

このケースが難しい理由は、
「感情」と「現実」が同時に動いている点にあります。

・母親への思い
・自分の老後資金
・社会的役割の変化
・キャリアの誇り

どれも軽く扱うことはできません。

キャリアコンサルタントは、
選択肢を提示するのではなく、
思考の交通整理を行います。

4.ロールプレイ動画

実際のロールプレイはこちらです。

5.支援のポイント|整理すべき3つの軸

この事例では、次の3つを整理します。

① 事実と感情の分離
制度上の条件と、母への思いを分けて整理します。

② 時間軸の整理
今すぐ決める必要があるのか。
段階的な選択は可能か。

③ 自己概念の確認
「働く私」と「娘としての私」。
どちらも大切にできる形はないか。

6.まとめ|正解ではなく納得を支援する

人生後半のキャリアは、
昇進や転職よりも、
「手放す選択」がテーマになることがあります。

キャリアコンサルタントの役割は、
正解を出すことではありません。

相談者が自分の人生に納得できる形を見つけること。
そのための伴走です。

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