第26回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

2021.7.7

第26回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 
解答例

問1
相談者は、今の仕事にとても満足していて出向がショックで他人事のように思っていた。新しい職場で自分にできることがあるのか、とかいろいろ不安ばかり。この会社に就職したのは機械いじりが好きで、やりがいをもって頑張ってきた。給与も上がり、夜勤も少なくなりそうと妻は手放しで喜んでいて何も言えなくなり、人付き合いも得意ではないので急に課長補佐と言われ務まる自信がなく、どうしたらいいかわからない、ということが問題である。

問2
1,今の仕事にやりがいを持ち執着しすぎることが妨げとなり、今後の自身の中長期的なキャリアの可能性を考えられなくなっており、自己理解不足を感じる。2,環境の変化、組織内の役割についての変化を受け入れることが難しい様子があり会社から求められている役割の理解が進んでいないことから、仕事理解不足が見受けられる。3,他に上司や妻とのやりとりからイラショナルビリーフが感じられ、コミュニケーション不足があるように思う。以上3点が問題である。

問3
① 目標1,今後の自身について中長期的なキャリアの可能性を考えられるよう、能力や適性や強みなどを知り、自己理解を深める。2,出向に対する明確な情報を整理し、会社から求められる役割について知れるよう仕事理解を促す。3,イラショナルビリーフをラショナルビリーフに変化できるようコミュニケーションについて再考する。

② 方策1,相談者の悩みに寄り添い、傾聴しラポールを形成しながら、やりがいを持って頑張ってこられたことをコンプリメントする。2,自己理解を深めるために新たなキャリアの可能性について次の仕事でも何ができるのかなどジョブ・カードを使って(同意を得た上で)スキルの棚卸しを行う。3,出向先で求められる課長補佐の役割について現在の上司や新しい上司から情報の収集を行い、仕事理解が進むようサポートする。4,その上でこれまでの相談者が偶然出会った人や行動など過去にあった具体的な出来事を思い出し語ってもらう。(クランボルツの計画された偶発性)それらにより、これからの行動について計画を一緒に考えてみる。5,イラショナルビリーフを変化させ合理的な考えを引き出すために、これまでのコミュニケーションを思い出してもらい論駁の手伝いをする。6,これらを進め、相談者に自信を持って今後のキャリアについて意思決定してもらえるようサポートする。