第27回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

2022.2.2

第27回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 
解答例

問1
相談者は、就職活動が本格的にはじまるが、このまま就職活動するのはどうかと悩んでいる。今の自分には強みがなく不安でこのままだと大手企業から内定がもらえず、せいぜい中小企業にしか入れないと思う。そこで卒業を遅らせてでも何か専門性を身につけた方が「強み」ができて就職活動が有利になると思った。ともかく方向性は早く決めたい。しかし相談した2人の先生も両親も意見が分かれ八方ふさがりに感じる。このままではろくな就職活動ができそうになくどうすればいいかわからないことが問題である。

問2
1,自身の強みややりたいことが明確に自覚できておらず、自己理解不足が見受けられる。2,就職先について「大手企業からは内定もらえない」「せいぜい中小企業」の発言があり、就職活動で必要と思っている「強み」「専門性」について内容も不明確、いずれも根拠も具体性もなく仕事理解不足を感じる。3,目先の就職活動に関心が留まっており、就職してどのように働いていくかキャリアビジョンが不明確。4,相談者の発言内容から考えられることは周りの意見に影響を受けやすく主体的に考えることができていない。以上4点が問題である。

問3
①目標1,自身の強みややりたいことをはじめ、興味、能力、価値観等の自己理解を深める。2, 具体的な業界、職種と仕事に就くためには何が必要かについて仕事理解を深める3,自身が「今後どのように働いていきたいか」を自覚したうえで、キャリアビジョンを明確にし今後の方向性について、主体的に意思決定できるようになること。

②方策1,相談者の悩む気持ちを受止め、今後の方向性について考えていることをコンプリメントする。2,自己理解を深めるため学生用ジョブ・カードや必要に応じVPI等アセスメントを用いて(同意を得た上で)興味、能力、価値観等、納得感を持って知れるようサポートする。3,仕事理解を深めるために日本版O-net等インターネット上の情報やキャリアセンター等のリアルな情報を活用し具体的な業種、職種や仕事に就くため何が必要なのか知れるようサポートする。4,働くことのイメージを具体的にするために、啓発的経験としてインターンシップやOB、OG訪問等で「働くこと」のイメージを深めてもらう。5,働くことについて意識を高めたうえで、具体的に「今後どのように働いていきたいか」を自覚できるようになるとともに実現に向けて今後の方向性について主体的に意思決定し、効果的な就職活動ができるよう支援する。 6,なお、支援の過程で必要に応じて周囲とのコミュニケーションを行う際、自身が自らの意思を持ち関わっていけるようサポートする。