第19回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例 (協議会)

2022.5.5

第19回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
キャリアコンサルティング協議会

設問1
相談者は派遣社員で次も更新されるものと思っていたのに先月末に契約終了を告げられた。ともかく早く次の仕事を決めたい。
次は正社員と思うが自身の経験が役に立つのか、何ができるのかもイメージが全然わかずどうしたらよいかわからず相談したい。

設問2
「ともかく早く次の仕事を」と相談者の言葉を受止めまずは
1、突然の雇止めに戸惑い焦る相談者の気持ちを落ち着かせるとともに次の仕事を急ぐ背景を問いかける
2、問題の喫要度の確認
3、仕事や働くことに対する思いの内省を促す。これらの意図があると考えられる。

設問3
①問題
「正社員として働いた方が」との気持ちはあるが具体的な内容がなく「ついてない」「こんな目に合う」など自身と向き合うことなく、
主体性の不十分さと自己効力感の低さが見られ、自律的なキャリアプランが不明確。
②その根拠
1、「特にこれをやりたいってことは無く」等の発言から自己理解不足を感じる。
2、「派遣の経験が役に立つのか」等の発言から仕事理解不足も見受けられる。
3、「先生は大変そう」等の発言からチャレンジ前からあきらめている様子があり、自己効力感の低さを感じる。
4、大学の就職センターで勧められた先へ応募し、派遣も母から勧められ主体的な意思決定がみられない。

設問4
1、「早く次の仕事を」と焦る気持ちに寄り添いラポールを築く。
2,自己理解を深めるため、ジョブ・カード作成の提案をする(同意を得る)学生、派遣の経験を振り返り、価値観、能力、環境等、整理整頓を行い成功体験等の肯定的側面に焦点をあてることで自己効力感の向上を図る。
3,仕事理解を深めるために、2で明らかになった希望する働き方を中心に労働市場や仕事の内容や求められる資質等を知るため日本版O-netを活用、知れるよう促す。
4,今後どのように働いていくのか具体的なキャリアプランを描き納得できる働き方につながる再就職について主体的に意思決定できるようサポートする。
5,なお支援の過程で周囲とのコミュニケーションを図る場合主体性をもちながら関われるようサポートする。