第28回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

2022.8.13

第 28 回キャリアコンサルティング技能士 2 級論述試験
解答例
問1
相談者は、会社の業務効率化により経理の仕事がなくなり、自分たちも要らなくなるのではと心配している。先日会社から自動化推進プロジェクトのメンバーに選ばれ、自分で自分の墓穴を掘るようで居ても立っても居られない気持ちになっている。今後も生活を賄っていく必要もあり、どうせ辞めなければならないなら早いタイミングで転職をした方がいいのではないかと思うが、これまでの職務経験や資格、そして年齢的にも今から転職は難しいのではと、とても不安で今後どうすればいいかわからず悩んでいることが問題。

問2
1,cl6「経理以外の~」等の発言から自身の経験、能力等の自己理解不足を感じる。2,cl2の発言から業務効率化については、伝聞、推定レベルの理解で具体的な内容、効率化された後の会社や経理の姿、また今回のプロジェクトメンバーの任命も含めた今後の自身の役割について情報不足と仕事理解不足が見られる。3,発言全体から自身が「今後どのように働いていきたいか」今後のキャリアビジョンが不明確と感じる。4,「今後仕事がなくなり、辞めなければ」と今の段階で思い込み、転職にも不安を抱えどうすればいいかわからなくなっていることが問題。

問 3
① 目標 1,経験能力等を客観的に把握し、自己理解を深める。2,業務効率化や自身の役割について十分情報を得て、仕事理解を深める。3,「今後どのように働いていきたいか」キャリアビジョンを明確化する。4,会社の業務効率化、また転職、その他選択肢について、冷静に論理的に判断し今後どうすればいいのか主体的に意思決定できるようになること。

② 方策 1,今後どうすればいいかわからず悩む気持ちを受止め、ラポールを形成する。2,(目標)を共有した上で、3,自己理解のためのジョブ・カードを用い(同意のうえ)経験、能力、価値観等を客観的に把握できるよう促す。4,仕事理解のため、会社の業務効率化とそこでの自身の役割について情報を得ることの必要性の認識を促し、納得の上、上司やプロジェクト関係者などから情報収集を行い、得られた情報を理解できるようサポートする。5,「どうせ辞めなければ~」等の思いが強いようであれば認知療法の手技等を用い、思考を柔軟に考えられるようサポートする。6,必要に応じて転職市場や今後の家族含めたマネープラン等についても情報収集、整理した上で今後のキャリアビジョンを明確化できるようサポートする。7,業務効率化にどのように向き合うか現職継続か転職かまたは他の選択肢について冷静、論理的に判断し、今後どうすればいいか主体的に意思決定できるよう支援する。