第29回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 解答例

2023.1.13

第29回キャリアコンサルティング技能士2級論述試験 
解答例
問1
相談者は、定年後の働き方を考えたいと思っている。継続雇用を選べば65歳までは働けるようで、仕事は自負があり、会社に貢献してきたとの思いから継続雇用を受けたいと思っていた。しかし、継続雇用で働く先輩方を見ているとやるせなく、安い給料で今の部下に使われるくらいなら、思い切って別の道を選んだ方がいいのではと思う。スーパーの仕事しか知らないが、これまでの経験をかってくれるところはあるのではと思っている。次男も大学までは出してやりたい。妻も経済面を気にしているため、転職して良い給料が貰える会社で働けたらと思い、悩んでいることが問題。

問2
1,仕事に自負があり、会社に貢献してきたとの思いから継続雇用を受けたいと考えていたが、具体的にどのような働き方を考えていたのか、転職にしてもどのように働いていきたいのかいずれも不明確で自己理解不足とキャリアビジョンの不明確さを感じる。 2,継続雇用について見聞きした断片的な情報から否定的に捉えている。転職も「経験をかってくれるところはあるのでは」と具体的情報を確認せず判断しており情報不足と仕事理解不足が見られる。 3,家庭の経済状況についても「具体的に計算したわけではない」と現状把握と今後のマネープランの確認不足がある。

問 3
① 目標1,仕事への自負や会社への貢献など自身の仕事への思いをもとに、どのように働いていきたいか自己理解を深める2,継続雇用や転職、その他働き方についての情報理解を深める。3,家庭の経済状況と今後のマネープランについて情報を十分に得たうえで今後のキャリアビジョンを明確にし、定年後の働き方について意思決定を行い、行動できるようになること。
② 方策 1,長年働き、仕事に自負を持ち会社に貢献してきたことをコンプリメントしラポールを深める。2,自己理解のためのジョブ・カードを用い(同意のうえ)これまでの職務の棚卸しを行いながら仕事へ自負や会社に貢献してきたという思いも含め、これまでどのように仕事に取り組んできたかを踏まえ今後、どのようにして働いていきたいか明確化する。3,仕事理解を深めるため継続雇用と転職、場合によっては他の働き方について、具体的な情報を得ることの必要性について気づきを促しそれを得られるよう行動を促す。またキャリアコンサルタントからも適切な情報提供を行う。4,家庭の経済面については、妻や子ども含め、現在の状況と今後のマネープランを確認、検討を促す。5,以上をふまえ、定年後どのように働いていくか意思決定と共に実現にむけて行動できるよう支援する。