第22回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例(JCDA(日本キャリア開発協会))

2023.3.29

第22回国家資格キャリアコンサルタント論述試験 解答例
JCDA
問い1
事例Ⅰでは「エリアマネージャーには向いていないのかな」(cl6)とのclの気持ちを受止めず「強いリーダーシップがいる」(cct7)「いろいろ根拠が必要」(cct8)などcctの価値観で決めつけたり、clの「躊躇」する気持ち(cl9)にも共感を示すことも内省を促すこともなく「経験を積んでいかれると自然と自信も出てくる「(cct10)とアドバイスしたりしているため、clの自己探索が進んでいない。事例Ⅱでは会議での経験の再現を促し「エリアマネージャーには向いていないのかな」(cl6)と思った背景を語ってもらっている。更に問いを重ねることでclのものの見方を明確化している。その結果、「先輩の人たちのいう事は尊重しないといけない」(cl9)との思いと、その背景にある「認められたい」「能力のない人と思われるのが怖い」(cl11)などの思いへと自己探索が進む展開となっている。

問い2
相応しくない
どうしたらいいのかまだ整理がついていないclの気持ちを受止めず、「まだ5ヵ月」等、cctの価値観で話を進めており、またcctの言葉にも納得していない様子があるため。
相応しい
我慢する悔しさを強く感じながら先輩たちの意見を尊重しないといけない、と考える背景を問いかけることで、「それだと何かおかしい」とclの内省を促している。それがcl11以降の気づきにつながっているため。

問い3
1、clは「自分のスタイル」(cl2)で「店長やスタッフと一緒に企画を作り上げていこう」(cl6)と考えながら、先輩達が「強いリーダーシップが大事」と言われたことで「自分はエリアマネージャーには向いていないのかな」と思っており(cl6)そこに自己効力感の低下と自身の強みや価値観等、自己理解不足が見られる。2、その背景に「先輩の人たちのいう事は尊重しないといけない」(cl9)との思い込みがあると感じられる。3、「事業部長に認められてエリアマネージャーになれたと思う」(cl2)「エリアマネージャーの役割に戸惑いがある」(cl5)等から求められる能力要件や期待役割などについて仕事理解不足も感じられる。

問い4
1、やっていける自信がなくなったclの気持ちを受止め、ラポールを深める。2、「認められること」「能力(のない人と思われること)」の意味について更に内省を深め、年上の先輩の意見を尊重することの意味についても再考を促す。3、仕事経験を振り返りながら「自分のスタイル」強みや価値観等について自己理解を深める。また肯定的側面に焦点を当てることで自己効力感を高める。4、エリアマネージャーに期待される役割や能力要件について事業部長等に確認を促し仕事理解を深める。5、これらを踏まえ、clが自分らしいエリアマネージャー像を描き、自信を持って仕事に取り組んでいけるよう支援する。