やりたいことが見つからない時こそできること

2022.1.11

 
 

やりたいことが見つからない時こそできること

 
 
キャリア相談をしている中で

「そもそもやりたいことが見つからない」と悩んでいる人は

とても多いように感じます。

将来の夢や目標を聞かれてもいまいちよくわからなかったり、

志望動機やキャリアプランに自信が持てなかったりする場合は

どうしたら良いでしょうか。

実はやりたいことが見つからない時こそ、

自己分析を深めて本当にやりたいことを見つけるチャンスです。

キャリア相談の悩みも人それぞれ違いますし、

キャリアコンサルタントとして手法も違いますが少しでも参考になって

相談者が好きな仕事を見つけてイキイキとしてもらうために

役立ててもらえればと思います。

ただ注意点として、キャリアコンサルティングの場では、

「やりたいことが見つからない」

「転職を考えている」というお話があったとしても、

すぐに転職に向けて希望や意見をお伺いするのではなく、

「なぜ転職したいというお考えなのですか? 」

という問いから初めるとよいでしょう。

その方の「転職」やそういった選択をしようとされている

背景やきっかけについて、まずお話を聴かせてもらうようにしてください。

この部分にその方らしさやこれからの道筋のヒントが詰まっているからです。

キャリアコンサルタントだからこそ相談者の

「生き方や考え方」に焦点を当ててお話を進めてください。

 
 

 
 

やりたいことが見つからないのはなぜ?

 
 
そもそも

「やりたいことが見つからない」と感じるのはなぜでしょうか。

以下に挙げるような思考パターンに陥っている時は、

本当にしたいことがわかりづらくなってしまう傾向にあります。

【”足りないからできない”と決めつけている】

時間やお金、スキル、才能など、今の自分が持っている資産では
できることが何もないと決めつけてしまうパターンです。

「才能がないからあの仕事には就けない」
「時間がないからどこにも行けない」
「資金がないから好きなものを買えない」など、

結果を否定してしまうとあきらめが先に立って、
本来やりたいことを実現させる努力や
工夫といったところまで至らないのです。

【”やりたくない”ことに埋もれている】

義務やノルマなど「やらなくてはいけないこと」や
「本当はやりたくないこ と」が多すぎると、
余裕がなくなって本当にやりたいことが見えづらくなってしまうかもしれません。

【”やりないことができない”経験を重ねてしまった】

本当はやりたいことがあったのにできない事情が続いたり、
「そんなことをやって何になるの? 」
「あなたには無理」など誰かにやりたいことを
否定されたりする経験を重ねた結果、
自分の気持ちに蓋をして本当に自分が何をしたいのかよくわからなくなってしまう人もいます。

【人目や結果を気にしすぎる】

他の人からの評価や結果にとらわれすぎると、失敗や挫折を恐れたり、
新しいことや自分の知らない世界に踏み出すのが怖かったりして、
やりたいことを見つけるのが難しくなってしまうかもしれません。

 
 

 
 

好きな仕事をみつける4つの質問

 
 
好きな仕事を見つけるために、以下の 4 つの質問をすることをおススメします。

・「得意なこと」「自分にできること」は何ですか?
・過去に一番楽しかったことは何ですか?
・どんな時に幸せを感じますか?
・お金を払ってでも勉強したいことは何ですか?

上記の質問について解説していきます。
 
 
 
【得意なことは何ですか?】

好きな仕事を見つけるために

「得意なこと、自分にできることは何ですか? 」

と自身に問いかけることが大切です。

理由は「得意なこと」「自分にできること」を

仕事にすると仕事が楽しく感じやすいからです。

自分が得意なことを仕事にすることで、

日々の仕事内容が自分の得意分野で構成されます。

できない仕事が少なくなり、仕事ができていることに充実感を感じやすくなります。
 
 
 
【過去に 1 番楽しかったことは何ですか?】

好きな仕事を見つけるために「過去に一番楽しかったことは何ですか?」

と問いかけ考えてもらうことが重要です。

理由は、「過去に一番楽しかったこと」は自分の中の楽しいと思うことを

探すきっかけになるからです。

自分が楽しいと思うことには、共通点があります。

その共通点を言語化し、楽しいと思える仕事に就くことが、

「好きな仕事をする」と言えます。

一番でなくてもいいので、楽しかったことを洗い出してもらうために聞いてみてください。
 
 
 
【どんな時に幸せを感じますか?】

好きな仕事を見つけるために「どんな時に幸せを感じますか?」と

自身に問いかけることが重要です。

理由は、自分が幸せを感じる瞬間が多い仕事に就くことが、

あなたを幸福にすると言えるからです。

仕事の中で幸せを感じることが多ければ多いほど、

仕事も楽しくなり、やりがいや達成感を感じやすくなります。

また、幸せを感じる瞬間を自己理解しておくことで、

好きな仕事を見つける選択軸にもなります。
 
 
 
【お金をはらってでも勉強したいことは何ですか】

好きな仕事を見つけるために「お金を払ってでも勉強したいことは何ですか?」と

問いかけることも重要です。

理由は、「お金を払ってでも勉強したいこと」は自分が興味のあることですね。

興味のあることを知ることで、自分が何をしたいのかが見えてきます。

興味があることなら、モチベーション高く行動できると言えます。

 
 

 
 

やりたいことを見つけるための自己分析

 
 
やりたいことが分からない人に対して、

やりたいことを見つけるための自己分析は有効です。

その際キャリアコンサルタントとして注意してほしいこと。

自己分析のメリットは客観視できることですが、

やりたいことが見つからない方は自分に否定的な感情を抱きがちです。

「どうせ無理」「非現実的だからだめ」「○○が足りない」など、

ネガティブな感情を持っておられる場合があるので

受容と傾聴をしっかり行うようにしてください。

また「やりたくないこと」の方が見つかりやすい場合もあります。

まずはそれらを思いつくだけ書き出してもらって

すぐに排除することができないことなど、些細なことまで色々あるため、

その中でまずは実現可能な「やりたくないこと」を

減らすことで負担を軽くすることができると思います。

仕事にしても生きがいにしても、

表面的な条件だけで合うものを見つけようとすると

本当に「やりたい」気持ちにはなれないことが多いでしょう。

自己分析の過程で「なぜ」それが好きなのか、

嫌いなのか理由を掘り下げてみると本質的な価値観を見つけやすくなります。

相談者が心から満足感や充実感をもって生きていけるようにまた誰か、

何かの役に立っていたり、必要とされていると実感できる場面で

いっそう喜びを感じやすいです。

一緒に自己分析を深めていくとその方の軸が見えてきます。

相談者の強みや価値観が活かせれるように寄り添い

一緒に考えて方策の実行ができるようにしてください。

 
 

 
 

最後に

 
 
キャリアコンサルティングを受けられる相談者は

「それぞれに何か想いがあって、何か変えたくて」

受けられるということです。

こうした一歩踏み出していらっしゃるだけで本当にすごいと思いますし、

頑張っていらっしゃると思います。

人生 100 年時代。平均すると新卒社員の約 3 人に 1 人は

就職後 3 年以内に離職しているのが現状です。

ただ一方で、一社で長く勤めていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。

副業を始めている方もいます。

相談者自身がこれからも自分らしく生きていくために

寄り添い一緒に考えるキャリアコンサルタントが求められています。